ゴルフ10団体により構成されるNPO法人日本ジュニアゴルファー育成協議会(JGC)では、不足する活動資金の調達のため、今年からちょっとユニークな2つのスキームを開始した。それが「ポリ袋」と「カラーバンド」。さて、それはいかなる資金調達法なのだろうか?
JGCは「ジュニアゴルファーの育成と底辺拡大」を目的に、ゴルフ関連10団体によって設立されたNPO法人。これまでスナッグゴルフのコーチングセットの小学校への寄贈や同ゴルフ競技の小学生チーム選手権の後援、あるいはジュニアゴルファー検定制度などを実施してきた。
ところが、その活動資金は構成団体からの助成金が頼りで、昨年は約2000万円とかなり心細い。
「ちょうど今、提出された様々な事業計画に対する予算配分で頭をいためているところです。試してみたいことはいっぱいあって、資金はいくらあっても足りないというのが正直な思いです」(JGC事務局)
そこで今年、大きな助けになりそうなのが、カタナゴルフからのポリ袋寄贈だ。
ポリ袋というのは、ゴルフ場の浴室脱衣所でお世話になる、例の衣類入れ。これをカタナゴルフがJGCに寄贈。JGCでは協賛のゴルフ場に納品し、枚数に応じた協賛金をゴルフ場からもらう仕組み。もともと日本ゴルフ協会が行っていたスキームで、それをJGCへ譲って実現した。
「カタナゴルフさんからは1000万枚寄贈していただき、ゴルフ場さんには1枚1円で協賛していただきます。250コースから各4万枚分の協賛を予定しています」(JGC事務局)ということだから、各4万円、計1000万円の収益事業となる計画だ。これは昨年の活動資金の2分の1の額で、決して小さくはない。
「JGCへは設立当初から、協力できることがあればしたいと伝えていました。それで昨年夏にこの話があったときには、すぐに協力する方向で検討しました。基本的に、関係者皆さんに喜ばれることで、当社のイメージアップにもつながりますから……」として、カタナゴルフでは今後も同様の協力要請には前向きに考えていきたいという。
同社が納入するポリ袋には白地に、主力ブランドである『SWORD』のロゴと「カタナゴルフはジュニアゴルファーを応援します」というメッセージが黒字で印刷されている。早いところでは今月中に協賛コースに納品される予定だ。
ちなみに、カタナゴルフでは製造と輸送等で2000万円ほどの経費がかかるとみている。
もうひとつのカラーバンドは、昨年「ほっとけない、世界のまずしさ。」のコピーで、若者を中心に着用が流行したシリコン製のリストバンド「ホワイトバンド」をヒントにしたもの。
ホワイトに続いて、ガン患者支援のイエロー、地球温暖化防止の活動支援のグリーンなど、昨年はあっという間に様々なカラーバンドが登場した。
そして、今回JGCが採用したのはブルー。それを一口300円で販売し、募金とする予定である。
これらの活動により、JGCは今年、4000万円の活動資金の獲得をもくろんでいる。それをもって実績を作り、現在は様々な団体で様々に行われているジュニア支援活動を、JGCに一本化する動きにつなげたいとしている。
ただしブルーバンドに関しては「どうすれば一般の方に、コストをかけずにお譲りできるのか。有効な販売方法を検討しているところで、一般販売はもう少しお待ちください」(JGC事務局)とのこと。
だが、できればトーナメント会場で販売したいそうなので、ジュニア育成の募金をしたいという人は、観戦の際にギャラリープラザの周囲を注意してみると良さそうだ。
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