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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 4/4号
2006/3/23更新
定年後の「熟年離婚」もこれで避けられる?
阿見GCの「夫婦会員権」が売れ行き好調

 もはやゴルフ場が「男の世界」でないことは十分承知しているが、この「夫婦でゴルフ会員権」の風潮の広がりには、「隠れ家を失う」と不安を覚える男性諸氏もおられることだろう。


阿見GCの新しい試み

 阿見GC(茨城県)では昨年第1期募集分(合計100口)が完売となった新規会員の第2期募集を始めた。内訳は、個人と法人の「正会員」が合計45口、そして「家族会員」が15口。

 この「家族会員」というのが、夫婦での入会が条件の実質「夫婦会員」(ただし、1親等への相続は可能)なのだ。昨年はこれを30口募集したが、予想以上に好評で、「正会員」を上回る反響を得たという。

 好評の理由はなんといっても夫婦で入会するなら、ぐっと「お得」ということ。

 今募集では、「正会員」は入会金115.5万円、保証金110万円、年会費12.6万円。一方、夫婦2名記名式の「家族会員」は保証金と年会費はそれぞれ2人分の220万円と25.2万円だが、入会金はほぼ1人分の126万円。

 そのため、始めから「二人で入会」を考えている夫婦には、1人分の入会金でともに正会員資格が得られる点が魅力になっている。

「前回の募集では、下は30代から上は70代のご夫婦がいらっしゃいましたが、平均すれば50代でした」(会員権担当・柳沢一王氏)

 やはり定年後を考え、夫婦でゴルフを楽しめる環境を、と思って購入した層が多かったからだろう。

 同GCのメンバーフィは、利用税と乗用カート代のトータル3150円という安さ。年会費は高めだが、数多くラウンドしたいという人には『お得感』がある。

「家族会員」でも、夫婦ともゴルフ好きで、ラウンドを重ねたいというカップルが多いようだ。そのため、家族会員同士ですぐに仲良くなり、夫婦で友達の輪が広がっているそうだ。「時代は変わった。ゴルファーがクラブライフに求めるものも変わったなぁ、と改めて感じますね」(柳沢氏)

 実は、同種の会員権は同じパシフィックゴルフグループの大宝塚ゴルフクラブで、ひと足早く一昨年、昨年と各20口募集。そして、こちらもすぐに完売の人気となった。昨年の募集金額は総額516万円と高額だったのだが……。今後、グループ内の他のクラブにも広がる可能性はありそうだ。

 こうした「夫婦で会員権」のトレンドは、実際、高まっているのだろうか。

「ご夫婦で検討される方は確かに増えていますよ」と語るのは、会員権仲介大手・桜ゴルフの佐川八重子社長だ。

 同社が最近販売を担当した富士CC(静岡県)でも、夫婦での入会が予想以上にあったという。ニーズが高まっていることは間違いないようだ。

 ただし、その際に注意してもらい点があると、佐川社長は注意を促す。

 それは、当たり前のことだが、実際の使い勝手を良く吟味すること。つまり、二人で同時入会ということは、予算総額の半額の会員権を購入するわけで、入会後はどのようなプレー環境が得られるのか、より慎重に検討する必要があるという。

 さらに、女性は夫とは別に、平日に女性同士でプレーすることが多くなるので、その際のアクセスは重要なポイントになると助言する。

 また、最近はメンバーの家族に対して割引等の各種サービスを用意しているゴルフ場は多い。男性だけの入会でも夫婦で十分に楽しめるというケースもあり、検討すべき点は多いようだ。

 ともあれ、団塊世代の大量リタイアを考えれば、今後ゴルフ場に夫婦連れの姿が多くなるのは間違いないのだろう。しかし、なかには先の阿見GCの夫婦会員権に対して、「熟年離婚防止にはいい手かも」とあらぬ効果を期待する人かもしれない。

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