ジャパンゴルフフェアでは、多くのシャフトメーカーのブースに、クラブメーカーの最新ドライバーが展示されていた。クラブメーカーは付加価値としてカスタムシャフトを揃えてきたが、最近はシャフトメーカー側も、大手クラブメーカーに採用されたことをアピールしはじめたのだ。
カスタムシャフトから始まった、クラブメーカーとシャフトメーカーによるコラボレーションがいっそう進み、06モデルでは人気のシャフトをベースにしたオリジナルシャフトの採用が目立つ。
ナイキは、タイガー・ウッズも使用するディアマナをベースにした「サスクワッチディアマナ」をサスクワッチの標準仕様シャフトとした。
元々ハードヒッター向きのディアマナだが、大型ヘッド向きという特色は生かしながらも、アベレージゴルファーでも使えるやさしいシャフトにしているところがみそだ。
また、カスタムシャフトのツアーAD N-65は、市販されていないシャフトで、今のところサスクワッチ専用といってもよく、サスクワッチディアマナとともに、他では手に入らないプレミアム感もナイキのねらいだ。
また、クリーブランドゴルフは、異形ドライバーのハイボアにマミヤオーピー製の「ハイボアアクシブ」を装着した。520立方センチメートルクラスの慣性モーメントを売り物にするクラブだけに、大型ヘッドとの相性がいいといわれる4軸のアクシブとコラボレートするメリットは、技術面だけでなく販売面でも大きいと思われる。
何かと注目を集めているキャロウェイERCⅢCFだが、中でも最初の全長4軸カーボンシャフト「WD-1000」は大きな話題だ。
同社はこれまでシャフトの中身をさほどアピールしてこなかったが、WD-1000に関しては、その構造や性能を強調している。
「フェースの反発が抑えられ、ボール初速を引き出すために、シャフトの特徴をより引き出すことが求められてきた。スルーボアを採用しなかったのもシャフトのしなりを生かすため」(キャロウェイゴルフPRマネージャー/松尾俊介氏)
グラファイトデザイン初の4軸シャフトとくれば、市販化も期待する声も大きいが、同社によれば、WD-1000は完全なキャロウェイ用のオリジナルデザインということで、4軸シャフトの予定はないという。ERCⅢCFもプレミアム感の高いクラブになりそうだ。
驚くような話も飛び込んできた。ツアーにおけるドライバーの使用率がトップのテーラーメイドが、今度はシャフトでもナンバーワンを目指すというのだ。
06年モデルのr7シリーズには、「リアックス」というオリジナルシャフトが装着されているが、これは、フジクラの「ランバックス」をベースにした共同開発モデルだ。
そして、標準以外のカスタムシャフトを用意しているライバルを尻目に、13タイプを用意したリアックス1本で勝負を仕掛ける。
「r7の性能を引き出せるシャフトということでフジクラさんにお願いしました。評判のシャフトを使っても本来の性能が出せるとは限りません。同じシャフトでも挿し方によって、2フレックスくらい変わるもの」(テーラーメイドゴルフマーケティング部/高木茂克氏)
ツアープロに支給するクラブも同じ方針で臨む。
「リアックスでなければ、うちのクラブを使ってもらわなくてもいいというくらいの勢いでプロモーションを行う」(高木)
同社によれば、すでに開幕した女子ツアーでは、r7を使う全選手がリアックスを選択、来週開幕する男子ツアーでもかなりの選手が使いはじめるという。
5年間シャフトを替えなかった谷口徹がリアックスを使うと決めたあたりから、ナンバーワン・オン・ツアーという目標も現実味を帯びてきた。
そして、テーラーメイドのロゴが入ったリアックスを、米国に次いで日本でも市販する計画が進められているようだ。
「全体にしならせるランバックスに対し、ヘッドを加速するためあえてキックポイントを作っているのがリアックス。簡単にいえば、ランバックスとスピーダーの長所を合わせたようなシャフト」と聞けば、テーラーメイドファンでなくとも興味をひかれるはず。
また、トップブランド同士のダブルネーミングは、ゴルフ界では前例がなく、相当大きなインパクトとなるだろう。
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