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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 5/2号
2006/4/19更新
ミケルソン優勝のマスターズで明暗を分けた
40代プロの頑張りと若手たちの不甲斐なさ

 先のマスターズの勝利で、ワールドランキングでビジェイ・シンを抜き、タイガー・ウッズに次いで2位となったフィル・ミケルソン。これでタイガーとミケルソンの「ライバル時代」が始まったと言えそうだが、今年最初のメジャーを終えて、プロたちの明暗と評価が分かれてきたようだ。


「来年は優勝争いしたい」(片山晋呉)

 いまプロの世界でもっとも脚光を浴びているミケルソンの場合、昨年の全米プロに続いてのメジャー2連勝ということに注目が集まっている。

 これで6月にウィングドフットで開催される全米オープンに勝てば、「タイガーの天下」はひとまず終止符を打ち、「ミケルソン時代到来」ということになるだろう。

 コントロール性が要求される全米オープンの舞台で、再び2本ドライバーを復活させるかも知れない。 

 マスターズの前週にもブッチ切り優勝して、飛ぶ鳥落とす勢いのミケルソンはさておき、いまアメリカでは早くもこれからのメジャーに向けて、選手に関するさまざまな話が流れている。

 例えばマスターズの最終日最終組で、ミケルソンとラウンドしたフレッド・カプルスは、
「フィルやタイガーを除けば、エルス、グーセンなどのトッププレーヤーたちはもうすぐ40歳に近づく。自分にも経験があるが、40歳という声を聞くようになると、ゴルフがスローダウンしてくるものなんだ」
 と語っている。

 ビッグネームたちが皆30代の後半に突入している中で、やはり力を持続できるのは30歳のタイガーや次世代プレーヤーということになるだろう。しかし、マスターズでは期待の若手プレーヤーたちは皆、ボロボロといった状態だった。

「タイガーのライバルになれる」と、以前から期待されてきたセルヒオ・ガルシアは、予選こそ通過したものの、終わってみれば予選通過47人中、46位という成績。最下位のベン・クレンショーを2打上回る10オーバーだった。

 ガルシアはワールドランキングこそ6位に入っているものの、USトゥディ紙によれば、「この成績では、このあと全米オープンで優勝争いに加われなければ、スターとして認められなくなるのでは?」と、辛らつなコメントを浴びている。

 そのガルシアよりもっとひどかったのが、地元オーガスタ出身の若手として米国人が期待していたチャールズ・ハウエルIIIだ。なんと初日80、2日目84というスコアで、シニアのプレーヤーたちにも置いていかれ、最下位の予選落ちという結果だった。

 ハウエルの場合は、たまたま調子が悪かったということで再起も期待できそうだが、一時は、タイガーを抜いてワールドランキングのトップに立ったデビット・デュバルの場合は、もう本当に後がない。

 初日の2番ホールで、このホールの最多ストローク記録の10(タイ記録)を叩いて、初日84。2日目のバック9こそ32というスコアを出したものの、後の祭りで、結局は予選落ち。

 全英オープン優勝で得た5年シードも今年で期限が切れたので、ここ最近のプレー振りを考えると、あるいは今年が最後のマスターズ、ということになりそうな気配だ。

 日本人プレーヤーも、はっきりと明暗が分かれた。最終日のインタビューで、「来年は優勝争いをしたい」と語った4オーバー、27位タイの片山晋呉に対して、10オーバーで予選落ちした丸山茂樹は、「来年出られるものなら、出てみたい」と、かなり温度差のある発言をしていた。

 片山は「高い球を身につけたい」という向上心を口にしているが、ワールドランキングを67位にまで落とした丸山の方は、まわりが心配するほど落ち込んだ様子だった。

 学生時代にはミケルソンとライバルだった丸山だが、今年は米ツアーで苦労することになりそうだ。

 そうした中で、今年優勝争いに絡んだ46歳のカプルスの存在は、多くのプロに刺激を与えただろう。ショットではミケルソンと遜色なく、46歳の「ブンブン丸」が、決して過去のプレーヤーではないことを証明した。

 また、今年のマスターズでは元気だった米国勢に対して、欧州勢が振るわなかった中で、40歳のオラサバルが3位タイに食い込み、その存在感を示した。

 彼ら「中年組」の活躍を見ていると、今回ミケルソンにお株を奪われた42歳のビジェイ・シンが不甲斐ない若手たちを尻目に全米オープンに向けて実力を発揮しそうな気配もする。マスターズでの明暗劇がこれからの試合にどう影響するのか、大いに注目したい。

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