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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/6号
2006/5/24更新
かつての女王・ウェブが復活、オチョアは大躍進
「アニカ色」を塗り替える米女子ツアーの動き

 カリー・ウェブが、先のミケロブ・ウルトラオープンで2勝目を挙げ、完全復活したようだ。その逆に、女王アニカ・ソレンスタムが出遅れるなど、米女子ツアーの勢力図が、昨年とは大きく様変わりしている。


「女王」にカムバック?

 ワールドランキングは、過去2年間の成績をもとに計算されるため、現在好調のプレーヤーでも、すぐにトップに躍り出ることはない。

 昨年は女王ソレンスタム(35)に対して、ポーラ・クリーマーなどの10代や20代前半の若手や韓国勢がどこまで迫るか、といった構図が出来上がっていたが、今年は31歳のウェブと24歳のオチョアが大活躍している。

 LPGAの序盤戦10試合が終了した時点で、この二人が90万ドルを超える賞金を稼ぎ出し、3位以下のプレーヤーに35万ドル以上の差をつけているのだ。

 ウェブの場合、クラフト・ナビスコで優勝してから5試合目で2勝目をあげた。さらに2位タイが2回という成績で、残る1試合でも10位タイと、乗りに乗りまくっている。

 ロレーナ・オチョアの方も今季9戦して優勝が1回、2位(タイを含めて)が5回という成績。トップ4に入らなかったのは、たった2回だけ。

 これからはマクドナルド、全米女子オープンなど、メジャーや賞金の大きな試合が続く。そのため、他のライバルたちにさらわれそうな気配だ。

 そして新人王争いは、宮里藍(現在賞金ランキング19位、16万5083ドル)が賞金の高いメジャーあたりで勝たない限り、現在賞金ランキング3位で56万ドル近くも稼ぎ出しているキム・ミヒョンにさらわれそうな気配だ。

 一方ソレンスタムは、彼女にとっての今季第1戦だったマスターカードで優勝したものの、なんとミケロブでは3年ぶりに予選落ちをするという大番狂わせを演じた。

 それまでの成績は、6試合に参戦してトップ10が優勝を含めて4回と、決して悪いものではなかったが、マスターカードの優勝賞金が18万ドルと少なかったこともあって、現在47万5000ドルの獲得賞金でランキング6位といまひとつ。

 ウェブは「以前は試合で7位とか8位に終わると、その試合は大失敗だったと思うぐらい、がっかりしていた。とにかく勝てない試合では、本当に頭にきていた。

でもその後、トップ10に入るのも大変なスランプを経て、以前のような精神状態には2度となりたくないと思ったし、そうしたことには頭を使いたくないと思っている」と語っている。

 つまり現在は成績のことをさほど気にせず、リラックスしてプレーをしているようだ。

 ご存知の通り、ウェブは99年の終わりから01年にかけて、メジャー9試合中5勝、その3年間だけで、そのメジャーを含めて16勝し、米ツアーを席巻していた。

 その後に女王の座をソレンスタムに奪われるのだが、優勝するのが当たり前というプレッシャーの中で、達成すべきことはすべてやりのけたせいか、当時は目標を失いはじめていたようだ。

 あるいはソレンスタムは、かつてのウェブと同じような状態に、今いるのかもしれない。もちろん小技の上手さなど、実力ではまだソレンスタムがトップだろうが、メンタル面で過渡期に入りつつあるのかもしれない。

 だとすれば、シーズン中盤戦に突入する現時点で、すでに今年の賞金女王の行方が、固まりつつあるようにも思えてくる。これから1~2カ月、大きな試合が続くだけに米女子ツアーから目が離せなくなりそうだ。

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