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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/13号
2006/6/31更新
HC1.4以下のアマチュア7000名が競う
世界最大のトーナメント・USオープン予選会

「世界最大のトーナメントである全米オープンが、すでに始まった」と聞くと、まだ試合が開始されるまでに数週間あるはずだと、思うゴルフファンもいるだろう。確かに6月15日からウィングドフットで開催される全米オープンにはまだ日があるが、これはあくまで決勝大会。すでに予選会が日本(5月29日、東京ゴルフクラブ)やイギリスを含め、アメリカ各地で開催されている。


憧れの舞台

 厳密に言えば、決勝大会にも36ホール後に予選カットがあるのだから、地区予選だって、立派な全米オープンの一部分の役割を果たしている。

 というのも、冒頭に世界最大のゴルフ大会と紹介したとおり、全米オープンを特徴づけるひとつに、その参加者の数の多さがあげられる。

 オープン競技だけに、最初の第1次地区予選には、スクラッチプレーヤーなら誰でも参加できる。今年は、なんと9000名を越えるプレーヤーがエントリーし、実際にはハンディキャップで1.4以下の7000名のプレーヤーが、第1次地区予選で争った。

 この第1次地区予選は、全米110箇所(コース)で開催されたが、ハワイで開催された1次地区予選で、ミッシェル・ウィが、女性として初めて予選を通過したことは、世界中でニュースになった。

「男の人たちとプレーするのは、本当は苦手なんだけれど、そうしたプレッシャーが、自分をより良いプレーヤーにしてくれる」と、ウィがコメントしているとおり、今年は男女を問わず、出られる試合すべてに出場するつもりらしい。

 ちょうどこの全米オープンの地区予選通過のニュースと、男子ヨーロッパツアーのオメガ・ヨーロピアン・マスターズ(9月7日~10日)に招待されたニュースが、ほぼ重なっていたことから、ウィばかりが注目されてしまった。

 しかし、第1次地区予選の通過者はまだ550名もおり、ウィはこの中の一人に過ぎないのだ。

 ウィングドフットでの全米オープンに、すでに出場が決まっているのは、日本の片山晋呉や今田竜二を含めた70名。

 決勝大会の出場枠は、156名だから、残り86名が地区予選から勝ち残ってくるのだが、第1次地区予選を通った550名が、予選を免除された約200名とともに、この86名という狭き門に挑戦することになる。

 日本やイギリス含めて、14箇所で開催されるのはこの第2次地区予選。1次地区予選を免除されるには、過去の全米、全米アマの優勝者はもちろん、米ツアーでシードを持つプレーヤーや、今年の日本のツアーの優勝者、昨年全米オープン本戦参加者たち。

 これにはワールドランキングトップ100位内などの資格が必要だが、このほかUSGAが認めればOKで、第1次予選の免除はかなりとりやすいとも言われている。

「世界で最高のプレーヤーが戦う試合」(D・フェイ/USGA専務理事)にするため、より多くの機会をプレーヤー(特にプロ)に与えようという意図は分かるのだが、予選会の会場数が増えることに対する疑問の声もある。

 というのも、基本的には1予選会あたりの出場者数によって、その予選会の決勝大会への出場枠が決まるからだ。

 例えば、米ツアーと日程的に近いコースでやる予選会は難しく、アマチュアばかりが出場する予選会は簡単、ということにもなりうるのだ。

 そうした点で、1次予選会が開催されていない日本とイギリスの2次予選会には、ほとんどプロしか出場できないから、難しい方の枠ということになる。

 昨年、96年のスティーブ・ジョーンズ以来、マイケル・キャンベルが初めて予選会からの本戦出場で優勝を飾ったのも、キャンベルがイギリスでの予選会を勝ち抜いてきたことを考えれば、納得できるものがある。

 そして、昨年のキャンベルの優勝によって、当初、実験的とも見られていた海外の2次予選会が定着してしまったといえるだろう。

 これで、もし今年、日本の予選会からの出場者がウィングドフットで、優勝するようなことにでもなれば、より多くの国で、2次の予選会が増えるばかりでなく、日本やイギリスで1次予選会が、開催される可能性だって出てくるかも。

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