外資の独壇場だったゴルフ場買収戦線に、国内勢が本格的に参入してからかれこれ2年。先行組のオリックス、ユニマットなどはもはや新興勢力とは言えず、新たな顔ぶれが次々と登場、ゴルフ場業界の≪勢力図≫は大きく塗り代わった。
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内資による買収が進んでいる
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まずは先行組の代表格・オリックス。同グループのゴルフ場第1号はきみさらずGL(千葉)
真里谷の債権者として3コースに競売をかけ、自己競落したのがこのコース。残る2コースはその後に会社更生手続きに入り競売が中止された。
ゴルフ場の法的処理の先がけとしてあまりにも有名な話だが、これがかれこれ12年前。
その後いずも大社CC、浜田GLなどを順次取得、平成12年に会社更生手続でローズウッドGCのスポンサーに就任するなどして、7コースの保有に。
保有コース数を一挙に引き上げたのは、なんと言っても富士カングループの9コース。現在保有コース数は16だが、内定済みのシンコーグループの6コースを加えると22コースになる。
「今後もいい案件があれば買っていきたい。40~50コースくらいまでがメドだと考えている」という。
が、もう一つの先行組のユニマットは、レインボーヒルズCC(千葉)、中軽井沢CC(長野)など16コースを保有。数ではオリックスと同じだが、
「値段が上がりすぎて、取得対象になる物件がなかなか出ない。ぼちぼち限界だと思うので、運営受託に力を入れていく。ただし、地主との権利調整が済んでいて、許認可までとれている建設途上の物件で、いいものがあればそれを引き継ぐという選択肢はあると思う」と対照的だ。
先行組でありながら、オリックス、ユニマットに比べると買収ペースがやや緩慢な東京建物。保有コース数はジェイクラブ霞ヶ浦など10コース。平成11年に受託運営からスタート、取得を開始したのは2年前から。
今年3月にゴルフ場買収用に100億円の予算を計上したが、「あくまでいい案件が出たら買う。いつまでに何コース、といった時期や数の目標は置かない」という。
さらに、先行組でありながら、保有コースがオークビレッジGCなどわずか3コースにとどまっている森インベストメント・トラストでは、
「我が社にとって≪いい案件≫がなかなか出てこなかったからこの数にとどまっているが、現在の3コースは利益が出ているので、今後も運営をきちんとやっていきたい」という。
一方、最近躍進が目立つのが、東証一部上場の不動産会社・アーバンコーポレイション。昨年暮れ、成井農林系6コースを取得して買収戦線に参入した。
現在7コースを保有、阪奈CCと北海道GCの内定2コースを加えると11コースになる。「あくまでいい案件があれば買うということだが、全国で20カ所くらいまでは買いたい」という。
東証2部上場の不動産会社・ゼクスも現在、チャーミング・リゾート藤岡GC、ワイルドダックCCなど、合計5コースを保有。こちらは全国ではなく、
「東名、常磐、アクアラインなど首都圏のコースで、10コースくらいまで買いたいと考えている」
東証一部上場の不動産会社・ゴールドクレストの創業者の100パーセント出資・サクセス・プロも、アカデミアヒルズCCなど7コースを保有しているが、今後の取得方針などについては残念ながら「ノーコメント」
このほか、大証ヘラクレスのアセット・マネジャーズ、東証2部のレイコフ、同じくパシフィックマネジメント、東証マザーズのシンプレクス・インベストメント・アドバイザーズなど、上場の不動産会社が続々名乗りを挙げている。
一方、7コースまで取得した洋菓子製造のシャトレーゼは、子会社の幹部が独立、このうち富士見ヶ丘CC、シャトレーゼCC野辺山、都留の3コースを引き継いだ。
野辺山のコース名にはいまだにシャトレーゼの名が付いているが、この3コース、シャトレーゼとの資本関係はない。
従って、シャトレーゼの現在の保有コースは小海リエックス、CC札幌、CC石狩、CCマサリカップの4コース。
しかも4コースすべてをゴルフ場経営子会社で管理し、本業と分離した。今後についても「今のコースで取得は終了、今後はもう買わない」という。
来年の今頃はさらに業界地図は塗り代わっているかもしれない。
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