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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/20号
2006/6/7更新
ミズノは4軸「クワッド」、ダイワは5軸「ロッディオ」
好調なシャフト市場にクラブメーカーが次々参入

 日本のリシャフト需要は05年で約40万本、06年は約45万本と大きな伸長が予測されている。現在、リシャフト市場で大きなシェアを握っているのはフジクラ、グラファイトデザイン、三菱レイヨンの3社だが、そこに割って入ろうというのがクラブメーカーだ。

 ミズノ、本間ゴルフ、ダイワ精工のシャフトは専門メーカーの製品と比べてもそれなりに評価されてきたが、これまでシャフト単体での販売は手がけてこなかった。

 しかし、最近では事情が変わってきた。口火を切ったのは本間ゴルフだ。

 04年9月に「アーマック」を発売すると、4軸シャフトの性能と目新しさに加え、契約プロが「アーマック」に替えたとたん初優勝を飾るなど、話題性も手伝って、従来から固定ファンの多かった同社に新しい顧客層を呼び込むきっかけとなった。

 当時取り組み始めたばかりの会社再建の旗印となったのも「アーマック」だった。

 そしてこの4月、「あくまでもクラブメーカーとして、クラブの総合性能で勝負したい」と数多くのオリジナルシャフトを揃えながら、供給を自社ヘッドのカスタムオーダーに限定していたミズノもついに腰を上げた。

 背景には、高反発クラブが規制されることにともない、フィッティング、とくにシャフトに対する関心の高まりがあるとみていいだろう。

 ミズノの4軸シャフトはカーボン糸を立体的に編み込む独自の構造で、もともとプロや上級者に高い評価を得ており、ユーザーや販売店サイドの声に動かされたようだ。

 今回発売された同社の新しい4軸シャフト「クワッド」は別名バネシャフトと称され、ヘッドスピードの向上すなわち飛びを売り物にしている。

「従来の4軸シャフトを改良し、フープ層を加えてつぶれにくくしました。その分シャフトを軟らかくできたので、しなり戻りが速くなりました」(ミズノ広報宣伝部/西田維作氏)

「クワッド」の初年度販売計画は5000本、9機種25タイプが用意され、ヘッドスピード33m/s前後の女性から45m/s以上のアスリートまで対応している。

「基本ははじめにフィッティングありきで、3割のリシャフトユーザーをすべてカバーするのが目的。やたらと数を追いかけるつもりはありません」(西田氏)という言葉通り、広告はおろかニュースリリースさえ発信しない静かなスタートを切った「クワッド」だが、今後のセールスでどこまで加速するか、ボールに続くミズノの新たな挑戦に注目したい。

 昨年中から話題となり、今春発売されると噂されていたダイワ精工の「ロッディオ」の発売日は10月1日に決まったようだ。当初計画より半年遅れたのは、5軸構造の量産が難しいためと伝えられている。

 現在は、W6TとW7Tという2タイプが一部ショップで限定モデルとして発売されている。限定とした理由は、正式発売までの半年間でブランドイメージを構築するためだ。

「性能や品質のよさを分かっていただくためには、きちんとしたフィッティングを受けた上で使っていただきたい」(ダイワ精工ゴルフ営業部/大澤登氏)

「ロッディオ」自体の評判はよいようだ。
「暴れないシャフトなので、叩いても曲がらない。軽量から重量までラインナップが出揃い、日本有数の竿メーカーというイメージを前面に出せば売れる商材だと思います」(ゴルフメッセ・リペアディレクター/川上富雄氏)

 このほか、テーラーメイド、フジクラのダブルネームを冠した「リアックス」も、ツアーでのプロモーションを強力に押し進めながら市販の機を伺うなど、専業メーカーとクラブメーカーが入り乱れた戦国時代が到来しそうだ。われわれユーザーとしては、選択肢が増えるのはありがたい。

 しかし「昔スピーダーをつけろといわれて、スピーダーには10種類以上あることを説明すると、えっ、という顔をするお客さんも多かった」(ゴルフメッセ/川上氏)などという笑い話のネタにならないよう、しっかり目的をもったシャフト選びをしたいものだ。

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