駐車違反監視の民間委託が6月1日からスタートした。全国264署102市町で、繁華街などを重点的に取り締まっている。運送会社やタクシー乗務員などといった業務のみならず、中古ゴルフの専門ショップや繁華街などに出店しているゴルフ関連ショップにもじわじわとその影響が出始めている。
道路交通法の改正に伴うこの制度は、駐車違反の基準を明確にし、短い時間でも放置すると違反となる。
このため監視員や警察官が違反車両をカメラで撮影し、ステッカーを貼る数分以内に運転者が戻らなければならない。約5分が勝負といわれる。
中古ゴルフ専門ショップなどに聞いてみた。
ビジネス街を控え、車の通行量や人通りも多い東京・新橋と日本橋で営業する店舗では、比較的影響は少ないという。
「仕事の合間や帰り際に寄って行くサラリーマンが多いためではないか」と新橋のショップ店員。
車で来店していた40代の会社員男性は、「たまたま用事で通りかかったので、ちょっとのぞいてみたが、やっぱり落ち着きませんね。今度は歩いてきます」
日本橋でシャフトショップを経営するゴルフレンドの大野和昭氏は「今のところ影響はありません。コインパーキングや駐車場もあるので、何の心配もいりません」という。
一方上野の、アメ横という一大ショッピング街に店を構えるところは、深刻な事態のところもある。
「確実に客足に響いています。近くにデパートなどの駐車場がありますがそこを利用してまで来るかといえば難しいですね。アイアンセットなど輸入される方々は、どうしても車で来なくてはならないので、将来的には送料の負担なども視野に置かなければなりませんし……」
とアメリカン倶楽部御徒町店のスタッフは、戸惑いを隠さない。
軒を並べるコトブキゴルフ御徒町店は、「特別に目立った影響はないようですが、長い目で見れば心配の種の一つにはなりますね」と楽観視はできないとみている。
東京・江戸川の中古専門ショップ、ゴルフパラダイス小岩蔵前橋通り店の星大輔店長は困惑気味に語る。
「お客さんの数が目に見えて減っています。当店ではもろに影響が出ています。実際、巡回も多いですし、これといった対策も立てられない状況です」
また、大阪のゴルフパラダイス松屋町店の男性従業員は、
「ここはもともと駐車禁止の重点地区でもあったので、いっそう厳しい状況に追い込まれました。お客さんの数もかなり減っています。アイアンセットを持ち込むお客さんも多いだけに深刻です」
その対策を聞くと、
「スタッフが5分ごとにお客さんの車を見に行っています。店長が、道路にパーキングメーターの設置を申請しましたが、受理されませんでした。いろいろ考えていますが、それもお客さんが来てくれないと。来店を敬遠されているのをズシリと感じます」
各店舗の対応は様々だが、その立地条件によって明暗は分かれる。
警察庁によると、新制度スタートから約1週間、東京都内の主要道路で、渋滞の長さが36パーセント減少、大阪でも56パーセント減り、京都では放置車両が75パーセント減少したところも。その成果は着実に上がっているようだが、厳しい商売を強いられているところはこの状況がしばらく続きそうだ。
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