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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 7/11号
2006/6/27更新
祖先は英国ロイヤルファミリー?
全米OP優勝のオギルビーの氏素性
 P・ミケルソンの自滅で終わった今年の全米オープン。内外問わず、ほとんどのマスコミは、全米オープンのトップ記事をミケルソンの写真で飾っっていた。優勝したジェフ・オギルビーというプレーヤーの存在は片隅に追いやられた格好だった。さて、このシンデレラボーイの素性を調べてみると意外な事実が浮き上がってきた。


そういえば、どこか気品が漂うオギルビー

 試合が終わった夜、ニューヨークのホテルで、祝勝パーティが行われたが、このパーティがオギルビーの人柄を物語っていた。

 まずはパーティ会場だが、ホテルというのは、彼が泊まっていたクラウンプラザというマスコミ・メディアの指定ホテルのラウンジ。

 安いホテルではないが、タイガーが、自分のボートでフロリダからやって来たり、多くのプレーヤーが、コース近くの豪邸を貸し切ったりする中で、全米オープン前に270万ドル、半年で約3億円近くも稼いでいるにもかかわらず、記者連中と同じホテルに泊まっているというのは、彼の気さくな人柄を表しているといえるだろう。

 加えてパーティには、同じオーストラリア出身のアダム・スコット、イアン・ベーカーフィンチなどが駆けつけていた。中でもスコットはE・エルスの飛行機でロンドンへ向かっていたが「友達が全米オープンに優勝するなんて、そう毎回あることではないからね」と近くの空港で機中から飛び降り、駆けつけてきた。

 パーティでのオギルビーは、ビールを優勝トロフィに入れて回し飲みするなどしていたが、くつろいだ様子だったという。

 一方、オーストラリアの両親の家では大騒ぎとなっていたが、父親のマイケル・オギルビーは、「こちらは、興奮しているのに、『父の日のプレゼントとして、私のために勝った』なんて、落ち着いて電話をかけてきたんだ」と言っていた。

 オギルビーは、どんな状況でも、落ち着いて、特別な強さもないが、ウィークポイントもないといわれるが、この沈着冷静なプレーぶりが、メジャーという大舞台で、力を発揮したのかもしれない。

 実際、昨年の全英オープンでは、最終の4ホールで3つのバーディをとって5位タイに食い込み、全米プロでは、最終日69で回って6位タイの成績を残している。

 マスターズでこそ16位タイとベスト10には入れなかったものの、その前のWGCマッチプレーでは、メジャーの優勝者を4人も破って優勝している。

 ここ1年の間にメキメキ実力をつけ、難しいコースや大きな試合で、力を発揮していた。一見たなぼたにも見える全米オープン優勝も、実はいつ勝ってもいい実力の裏づけがあったわけだ。

 家族は、5年前に友人の紹介で知り合った妻のジュリーさん1人。この10月3日に子供が生まれる予定だが、ジュリーさんは「17番のチップインを見て、カートの上で、飛び上がってしまい、子供が生まれるんじゃないかと思ったわ」と喜びを語っていた。

 父親は、クリケットの選手で、ゴルフの方は後で覚えたようだが、名門ロイヤルメルボルンの隣りのコースのメンバーで、オギルビーも、このコースでゴルフを覚えた。

 この父親の家系では、遠い親戚にイギリス王室につながるアンガス・オギルビー卿がいる。そしてさらにさかのぼれば、スコットランド王にも血がつながっているという。

 そういえば、昨年の全米オープンの勝者、M・キャンベルも、さかのぼれば、スコットランドの貴族だった。やはり、ゴルフの女神は、スコットランドの血を受け継ぐ者の方が、お好きと見える。

 ゴルフの女神に魅せられたオギルビー。かつてH・アーウィンが、ウィングドフットでの全米オープンをジャンプ台にして、≪名手≫と呼ばれたように、オギルビーもまた、これを機に、名実ともに、トッププレーヤーの道を歩み始めるのかもしれない。

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