> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/11号
2006/6/27更新
さくら今季初Vの陰にハイテク機器あり。
最新スウィング解析器最前線

 コンピュータグラフィックスやITの進歩は、レッスンやスウィング分析の世界にも大きな変革をも たらそうとしている。スウィングをデジタル化して詳細に分析することで、人間の目やビデオでは分かりづらかった原因が見えてくるからだ。最近は、最先端のスウィング解析ソフトを駆使する女子プロの活躍も目立っている。


APASを使ってさくらのインパクトを解析

 先々週行われたニチレイレディスで今季初優勝を挙げた横峯さくらもその一人だ。

「ヘッドスピードがインパクトで最も速いというのを実際にグラフで見られてよく納得できました。持ち味であるオーバースウィングにも自信がつきました」と効果を認めるさくら。

 スウィングチェックを担当したADSSデジタルスタジオでは、APAS(エリエール・パフォーマンス・アナリシス・システム)という動作解析ソフトを使って、サッカーの中村俊輔はじめ多くのトップアスリートのトレーニング指導を行っている。

 2方向から撮影したビデオ映像を元に、動きをデジタル化するものだ。

 頭から足先まで全身の動きがスティックやスケルトン(人間の骨格)で表現され、上下左右どの角度からでも自分のスウィングを見られるため、動きが視覚的に理解しやすい

「アマチュアに多く見られる、ダウンスウィングでヘッドスピードが最大になり、肝心のインパクトでスピードダウンしていることもわかります」(ADSSデジタルスタジオ総合マネージャー・澤田勝氏)

 即応性もAPASのメリットだ。「トップアスリートの世界でデータ解析に数日もかけたら、それはもう過去のもの。その場で改善できなければまったく意味を成しません」(澤田氏)

 スタジオまで出向かなくとも、コースやフィールドで撮影が可能なAPASは、毎週試合に出場しながら調整を行わなければならないプロゴルファーにとってはまさにうってつけといえる。

 今季、初優勝した飯島茜や早くも2勝目を挙げた中田美枝らが使っているのは、スウィング分析ソフトのV1。

 これは、自分の好調時や理想とする選手のスウィングとの比較が同一画面上で行えるコーチング用ソフトで、DVカメラ1台とノートパソコン1台あれば誰にでも扱える。

 最大の特長は双方向の通信機能で、生徒がコーチの元へスウィング画像を送信したり、コーチが描画や解説の音声を入れた画像を送り返したりすることが可能。その場にコーチがいなくても指導を受けられる。

「居ながらにして有名コーチのレッスンを受けたり、スクールに通う前に自分に合うコーチを探すといった使い方もできる」(インタラクシス・斎藤徹夫社長)ため、生徒とレッスンプロの橋渡し役ともなる。

 ほかにも、テーラーメイドのMAT-Tは、元はクラブ設計用に開発されたものだが、9台のカメラで取り込んだ実画像から、精密なCG画像を作成し、分析することができる。

 同社では、新社屋に専用スタジオを設置して、MAT-Tを利用した世界初のスウィング診断をスタートさせた。実際に体験した谷口徹が、

「スウィングが数値で見せられる解析結果には説得力がある」と話すなど、感覚派のゴルファーにも受け容れられやすいのがこのシステムの特徴だ。

 5月にオープンしたMAT-Tシステムは、有償ながら7割以上の時間帯が予約で埋まっているという。ゴルフレッスンの世界にも遅まきながらITの波がやって来たようだ。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です