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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/18号
2006/7/4更新
退職したらコースで社会奉仕、プレーがただに。
今どきのゴルフ場ボランティア事情

 退職後の社会参加としてボランティア活動を希望する人が増えており、関係団体にはその問い合わせが年々増加している。ゴルフ界でも、いまやトーナメント開催にボランティアの支えは欠かせない。さらに、恒常的にボランティアの活動の場を提供しようというゴルフ場も現れはじめた。

 佐賀県の日の隈CCでは、今年1月に「HSS(ヒノクマ・スタイリッシュ・スタッフ)」というボランティア組織を結成した。

 きっかけはメンバーからの提案で、「ゴルフの素晴らしさを肌で感じてもらう機会になれば」という狙いから学生などメンバー以外にも呼びかけ、月例競技やジュニア大会などイベント運営のサポート、あるいは月2回実施の「クリーンデー」でのコース清掃や目土入れなどの軽作業を分担している。

 現在登録メンバーは42人(うち約7割はクラブメンバー)で、平日(第2、第4火曜日)実施のクリーンデーの参加は「やはり定年退職され、時間に余裕のあるメンバーさんが中心」(総務部長・埜中法行氏)とのこと。

 6月28日のクリーンデーは、前日の大雨の復旧作業でネコの手も借りたい状態だったため、「5人の方がお手伝いしてくださり、とても助かりました」(埜中氏)という。

 当日は砂が流れたバンカーの補修作業という、いつにない重労働だったが、それでも皆喜んで額に汗していたそうだ。

 そして「今度プレーするときは、あのバンカーは自分が直した、って自慢させてもらうよ」との喜びの声が聞かれたという。

 もちろん完全な無報酬というわけではない。ここでは作業時間に応じてポイントが加算され、作業2日分で無料ラウンドできる他、ウェアやゴルフ用品との交換も可能だ

 しかし、このポイント制には悩みがあって、HSSメンバーの間からは「せっかく皆に喜んでもらおうとボランティアで来ているのに、ポイント目当て、報酬目当てと思われると困る」という反応もあり、ポイント還元の設定がとても難しいという。

 鹿島CC(福島県)でも、メンバーから「アメリカではコース管理のボランティア制度があって、クラブとメンバーにいい関係が成立している」といった提案が届き、昨年10月に同制度が発足した(ビジターの登録も可能)

 登録数はまだ10数名と少ないが、各自希望日に樹木の剪定ど軽作業を実施している。なかでも剪定作業では「剪定の技術を覚えて自宅で活用したいというのでしょう、とても熱心に喜んで働く方がいらっしゃいます」(副支配人 武田哲也氏)とのことだ。

 そのうえ作業時間に応じ、例えば30時間の作業で土日プレーができたり、食事券などにも交換できるので、ボランティアにとっては一石二鳥といったところ。

 一方、城里GC(茨城県)はボランティア組織ではなく、メンバーなら誰でも4人1組でボランティア作業を申し込めるクラブ運営になっている。

 作業は、剪定やコースの目土入れ、小石拾い、グリーンのボールマーク直しなどのコース管理作業のほか、椎茸栽培(場内で販売)といったものも用意されている。

やはり作業時間に応じてポイント加算されるが、約3時間の作業で無料ラウンドができる。

「現在まで40数名の申込みがありました。今後、定年退職者の増加に合わせて、希望者も増えるのではないでしょうか」というのが同GCの見方だ。

 ところで、こうしたゴルフ場では、いずれもボランティアのより大きな可能性を模索している。日の隈CCのHSSでは、メンバーが中心となったミーティングを開催。

 そのなかで、例えば「障害者ゴルフ教室」といったイベントを企画することでボランティアの輪を広げ、活動を活性化させることを検討している。その可能性に期待したい。

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