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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/5号
2006/8/22更新
軽いスチールに重いカーボン。
新モデル登場で、どうなるアイアンシャフト?

 今や時代は、重いスチールと軽いカーボンという単純な区分けができなくなった。軽量スチールシャフトブームが続く中、トゥルーテンパーが世界最軽量を謳うアイアン用スチールシャフトGS75を発売。一方、グラファイトデザインは120グラム級の最重量カーボンシャフトを年内にも発売する計画だ。カーボンと重量の変わらないスチールシャフトと、スチールと変わらないカーボンシャフト。≪逆転現象≫はどこまで進むのだろうか。

 GS75の重量はカット後で75~81グラム(R300)で、NS750を下回る最軽量のスチールシャフトだ。

 トゥルーテンパー社は、GS75を8月から日本で先行発売すると発表しているが、この軽量スチールに大きなニーズがあるのは日本を含むアジアマーケットのみで、実質的には日本向けに開発されたシャフトといってもいいだろう。当然ながら現在カーボンシャフトを使うユーザーが最大のターゲットだ。

「スチールの方向性のよさを生かしながら、先端を走らせて飛ばせるカーボンライクな設計。試打会でも素直な球が出て、好評のようです」(トゥルーテンパースポーツインク・セールスマネージャー/渡辺和典氏)と手応えを感じている。

 女子ツアーには5月からスタッフを送り、すでに7、8名の選手がGS75を使用している。これまでカーボンシャフトを使っていた米山みどりもその1人で「クラブに妥協しない米山選手に一発で気に入ってもらえた」(渡辺氏)ことが自信を深めている。

 また、クラブメーカーへのアプローチも、米国メーカーを中心に早くから行っており、すでにテーラーメイドr7次期モデルへの採用が決定している。

 トゥルーテンパーといえば、80年に発売されたダイナミックゴールドがいまでもプロ、上級者に圧倒的な支持を得ている。

 その牙城にカーボンシャフトで挑もうとしているのがグラファイトデザインだ。同社が開発中のニューシャフトのターゲットは、ずばりダイナミックゴールドのユーザーで、「スチールにはない球の上がりやすさ」(グラファイトデザイン営業部長/木本裕二氏)を売り物にしている。

 プロトタイプは、110、115、120グラムの3種類。一般的なカーボンシャフトの約2倍もあるヘビー級だが、この重量だからこそスチールからの乗り替えがしやすい。男子ツアーでは、尾崎直道、加瀬秀樹、片山晋呉、今井克宗などが使用しているほか、供給待ちの選手も多い。

 スチールから乗り替えた選手に共通する感想は「同じ重量なのに振りやすく感じる」(尾崎直道)というところ。今井克宗は球の高さを生かせる4番アイアンにこのシャフトを使っている。

 早速、話題の2本のシャフトを試してみた。テスターはゴルフレンド日本橋の大野和昭氏。

「GS75は、NSと比べても明らかに軽い。バランスを出すためにグリップも軽いものを入れたので、自分は振りにくく感じたけど、ヘッドスピード40m/s程度の人には合うのでは。グラファイトデザインは115グラムあるのに重さは感じない。DGと比べると手元と先が頼りないかな。ただ、ロフトの立っているヘッドを試打した(XブレードCB)の割には高い球が出た」

 大野氏は、スチールの魅力は低価格と言い切る。
「ここまで軽くなれば設計上の制約も大きいでしょう。予算があれば私はカーボンをお勧めします。重量級カーボンはプロや上級者に限定されます」

 その一方で、スチールの軽量化、重量級カーボンの開発はそれぞれ限界に近づいているようだ。「今ある素材ではこれ以上軽くできない」(前出/渡辺氏)

 またグラファイトデザインの新シャフトも「カーボンを使うのは少し楽をしたいから。スチールと同じ重量にする必要はない」(伊澤利光プロ)という意見もあり、さてどういう展開を見せるか興味深い。

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