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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/19号
2006/9/4更新
≪連合軍≫形態の不動産系・新興ファンドが
ゴルフ場買収に名乗り。その目論見は?

 オリックス、ユニマットに続けとばかりに、ゴルフ場買収に名乗りをあげる国内勢が増え続ける中、今年3月に誕生したばかりのゴルフ場買収ファンド、アマンテス・ゴルフ・アンド・リゾーツ投資事業有限責任組合(以下、アマンテス)が、静かに実績を挙げ始めている。

 アマンテスは東証マザーズ上場の不動産ファンド運営会社、(株)シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ(以下、シンプレクス社)とそのグループ会社で5割。

 そして旧ミサワリゾート(現リゾートソリューション)と、昨年3月にその親会社となった三井不動産の2社合計で5割を出資し、今年3月に誕生したばかり。

 運営はシンプレクス社が主導するが、運営はリゾートソリューション、案件の情報提供を三井不動産と、各々が得意分野を担う、いわば≪連合軍≫的な会社だ。

 そのシンプレクス社は、日興コーディアル証券の不動産業務室長だった林正道氏が、日興コーディアルと、銀行向けのディーリングシステムの開発などを手がけるシンプレクスグループのオーナーなどから、それぞれ5割ずつ出資を受けて独立、設立した社内ベンチャー。

 ゴルフ場事業は将来有望とみて、アマンテスが首尾良く成長した暁には、ゴルフ場事業を核に、1000億円規模のレジャーファンドの組成も、という構想を持つ。

「以前からゴルフ場の再生ファンドを手掛けたいと考えていたが、ウチには運営ノウハウがない。リゾートソリューションは2大外資と一線を画す評価をゴルフ場経営者から受けており、三井不動産は不動産業界のトップ企業で、情報量は破格に多い。この2社と組めれば最強と考え、アプローチしていた」(シンプレクス社広報)という。

今年3月のアマンテス発足の際、第一弾案件として、千葉県のラ・ヴィスタゴルフリゾートを経営するグリーンヴィスタゴルフ倶楽部(株)の全株式を取得したことが公表されているが、その後の実績については「公表していない」(シンプレクス社広報)と水面下の動きに終始している。

 このほど、兵庫県の旭国際宇城CCと同東條CCの2コースを、総額約55億円で取得することが明らかになったが、この2コースが何コース目にあたるのかも、今後何コースくらいの取得を目指しているのかについても「ノーコメント」

 だが、「強い購入意欲は持っている」というから、買収勢力のニューフェースとしては注目株だろう。

 この2コースは、今から2年前の8月に民事再生手続きの申立を行った旭国際開発(株)のコース。

 傘下5コース共通会員が約6000名いる他、コースごとの会員もいるため、会員総数は約1万2000人、預託金総額は490億円に上る。

 だが、その一方で金融債務が60億円強しかなかったため、再生手続きの申立当初はコース限定会員が3人しかいない18Hの宇城CCのみを売却して、残る4コースでスポンサーなしの自主再建というシナリオを描いていた。

 しかし金融機関との交渉は難航。特にローンスターグループのPGPアセットホールディングスからは、「売ってくれないなら債権額全額を一括弁済せよ」との要求があったため、計画案の提出期限を2度延長。

 結局45Hの東條CCも売却することで、PGPアセットホールディングスに債権額全額を弁済出来るだけの原資を確保した。

 会員については、退会会員は99パーセントカット、残りを認可決定確定後6カ月以内に一括弁済、継続会員は94パーセントカットで残りは10年据え置き、その後は退会希望者間で抽選償還、プレーは売却2コースも含め、各コースともに従来通りというのが、会社側の計画案となった。

 ただ、経営陣の責任の取り方が不明確であるとして、会員組織が会社更生手続きへの移行を希望しており、結論は9月下旬以降に下される裁判所の判断待ちとなる。

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