> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/26号
2006/9/11更新
「PGA事件」で初公判。罪状認めた石井秀夫は
身から出た錆で自己破産寸前。

 有印私文書変造、同行使容疑で起訴された石井秀夫前日本プロゴルフ協会副会長の初公判が、6日、神奈川地方裁判所で行われ、逮捕以来初めて石井本人が公の場に姿を見せた。手錠、腰縄の姿で法廷に現れた石井は、濃いグレーのスーツにノーネクタイの白いワイシャツ。逮捕以前に比べ、痩せて、白髪が目立ったものの、栗田健一裁判長の問いかけにハッキリした口調で答えた。


お先真っ暗の石井秀夫

 罪状認否では、逮捕容疑となった昨年11月のPGA神奈川県地区の議事録改ざんについて問われると「間違いございません」とハッキリ肯定した。

 だが、ここではプロ入り後に賭博で罰金刑を受けていた(前科一犯)ことも明かされ、これまで表沙汰にならなかった過去まで暴露されてしまった。

 副会長留任のためには、理事にならねばならない。そのためには神奈川地区の理事候補になることが絶対条件だったが、ここで落選したことから事件を起こした(一番下、解説参照)

 その動機について、検察側は「報酬や各種日当をもらうことができ、これが一番の収入源であることやステータスがあったこと」と、調書を証拠に決め付けたのに対して、被告は弁護側の質問に答える形でこれを否定。

 約120名の生徒を抱えてレッスンをしていた頃には約1500万円だった年収が、副会長就任後は800万円弱にダウンしたことを主張した。

 ステータスという点に関しても「名誉より長田(力前会長=同容疑で逮捕も処分保留で釈放されている)の仕事を応援して日本のゴルフ界をよくしたかった」と、あくまで、ゴルフ界のため、を強調した。

 だが「取り返しのつかない大事件になってしまって申し訳ない」と、反省しても後の祭り。ゴルフ界への影響はもちろんのこと、自らも大きな墓穴を掘ってしまったのは言うまでもない。

 プロゴルファーとしての立場は、裁判の結果待ちだが、すでに会員資格一時停止処分を受けており、有罪が確定すれば除名は必至。

 さらに、横須賀で営んでいた年商約2400~2500万円、従業員10名の産廃処理業、日協産業(株)も、この日、証言台に立ったティーチングプロ目前の長男、良介氏によると「事実上倒産」している。

 逮捕の影響を受けて、取引の9割を占めていた日産関連企業の下請け業務を、8月31日付で解除されてしまったからだ。

 経営者である石井自身が、3000万円程度債務保証をしていることもあり、この先について問われると「自己破産するしかない」と、お先真っ暗の状態に陥ってしまったのは身から出た錆というしかない。

 8月16日に再逮捕された河野高明理事の拉致・監禁事件に関しては、初公判前日の5日に処分保留が決定しているものの検察側は「捜査継続中です」と、未だにすっきりしない状態が続いている。

 この日は、石井被告と一緒に逮捕されながら、処分保留ですでに釈放されている船渡川育宏理事(PGA会員資格一時停止中)も傍聴に現れたが、首をかしげながら姿を消した。

 また、長男の証言では、長田前体制と別団体であるはずの日本ゴルフツアー機構(JGTO)との蜜月を表すものも飛び出した。

 昨年7月のJGTO法人化直後に、長男が運転する石井の車に長田、島田幸作JGTO会長が同乗。

「法人化への尽力を感謝し、互いに切磋琢磨してゴルフ界を盛り上げようと話していた」というのがそれで、まだまだゴルフ界を揺るがす事件は沈静化するどころか、あちこちに飛び火しそうな勢いだ。

 

[事件の経緯]
 昨年11月に行われたPGA神奈川地区の理事候補戦で、石井容疑者が落選したが、同月7日に都内のPGA事務局で、石井、長田、船渡川の3名が神奈川地区議事録に「理事候補に欠員があった場合には補充は石井秀夫とする」と、虚偽の内容を書き加えたとして、有印私文書変造、同行使の容疑で6月17日に逮捕された。
 PGAは昨年11月21日に代議員総会を経て理事の互選による会長選挙を行っており、この投票権欲しさの行為とされており、同日起きた神奈川県選出の河野高明理事の拉致、監禁事件と合わせて石井被告に対する疑惑が持ち上がった。石井は8月に拉致、監禁事件で再逮捕されている。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です