アコーディアがこの下期早々にも上場承認を受けるのでは、との観測が流れる中、ダンロップのSRIスポーツが、10月13日に東証に上場することが正式に決まった。上場時の公募・売出価格次第で、二部を経ずに一部への一発上場基準をクリアできるかどうか微妙な線なので、一部になるか、二部になるかは公募・売出し価格が決まったときのお楽しみだ。
今年4月には中古クラブ販売のゴルフ・ドウ! が上場し、今回のSRIスポーツとゴルフ関連企業の株式上場に勢いがついた格好だ。
SRIスポーツは上場時の公募で手にするであろう60億円前後の資金の大半を、生産・技術開発設備増強と、販売体制整備等に使うという。
ところで、上場会社の多くは株主優待制度を導入している。
ゴルフ5を傘下にもつアルペン、中部圏で圧倒的強さを誇るショップのヒマラヤ、ゴルフダイジェストオンラインは定額の割引券だが、アシックスや、ヴィクトリアを買収したゼビオなどは10パーセント、20パーセントと定率型の割引券だし、ミズノは定額と定率の併用型だ。
6万円強で買える株で、2000円相当の割引券がもらえるゴルフダイジェストオンラインの場合、株主優待利回りは3・3パーセント。
同じく6万円強で株が買えるグラファイトデザインのパット練習器は1万290円相当なので、株主優待利回りは計算上は実に16・9パーセントとすごい利回りになっている。
もっとも、このパット練習器は上場5周年記念ということなので、来年もということではなさそうだ。
定率型の場合は買い物金額が多ければ多いほど得する金額も大きくなる。
一方、リゾートトラスト、マルマンは胃袋攻撃型。鍛造製ゴルフクラブのOEM生産で知られる遠藤製作所は消費者と直接接点がないためか、株主優待はなし。
ゴルフ関連業種ではないので一覧には入れなかったが、ほとんどの百貨店は株主優待に買い物券を出しているので、ゴルフ製品関連の取り扱いが多い百貨店も狙い目。
また、鉄道会社やバス会社で、子会社でゴルフ場を経営しているところは少なくない。持ち株数次第では割引プレー券を株主優待で出しているケースもある。
それでは今回上場が決まったSRIは、株主優待についてどう考えているのだろうか。
「まだ上場もしていない段階だし、決算を締めてはじめて検討出来ること。今の段階ではまったく白紙」(SRI広報)だという。
一般に株主優待を何にするかは、決算発表の前後というのが普通。ちゃんと利益が出て初めて株主にその利益をどう還元するかを検討、配当をいくら出し、株主優待はこうするというのがものごとの順番だからだ。
株主優待はその会社の製品を使ってもらったり、身近に感じてもらうことで、株主にその会社の応援団になってもらい、長く株を持ってもらうために導入するものだ。応援団が多ければ多いほど、TOBでいきなり第三者に買われてしまうリスクも軽減できる。
ゼクシオが割引料金で買えるなどという株主優待があるなら、SRI株を買おうという読者も少なくないはず。株主優待の中身で株価が上がるかも!?
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