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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/24号
2006/10/11更新
藍ちゃんフィーバー決算。
ギャラリーマナーの問題あるもTV視聴率など新記録続出

  宮里藍はタイガー・ウッズ並み! こんな証言が運営関係者から飛び出した。米ツアーから帰国後、日本女子プロゴルフ選手権、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンと2試合連続優勝。3戦目で連覇のかかった日本女子オープンでも優勝争いを演じた宮里。残念ながら、05年全英女子オープン優勝のチャン・チョンに優勝をさらわれ3位に終わったが、その活躍が及ぼす効果は莫大だ。日本女子オープンまでの藍ちゃんフィーバーを追った。


人、人、人、みんな藍ちゃんを観に来た

 日本女子プロが1万9197人、ミヤギテレビ杯が1万8651人、日本女子オープンは4万8433人(人数はいずれも大会中通算)と爆発的に膨れ上がったギャラリーの数はもちろんのこと、テレビ視聴率も爆発的だった。

 横峯さくらが優勝し、今季最高だったニチレイレディス(6月)の10・5パーセントを一気に抜き去った11・3パーセントの日本女子プロを筆頭に、ミヤギが7・2パーセント、日本女子オープンは9・8パーセント(数字はいずれも最終日、関東でのもの・ビデオリサーチ調べ)と、安定しており、現地で取材したメディアを通じての報道と併せると、その動向に注目したファンの数ははかり知れない。

 だが、これまでのところ大会運営側が予測した宮里効果は「想定内」(関係者)とあって、対応は万全。おかげで大きなトラブルには至っていないのが現状だ。

 その対応のひとつが「これまでタイガー以外には行ったことがない」というローピング規制だ。通常、日本のトーナメントでは、各ホールを取り囲むように白いロープが張られ、選手のプレーゾーンと観戦エリアが分けられている。

 ロープ内に入れるのは、選手、キャディー、スコア係、一部メディアなどの関係者に限られ、ギャラリーの安全を確保すると共に、プレーの進行が円滑に行われるようになっている。

 だが、ホール間のインターバルに関しては話は別だ。選手と一緒に次のホールへ行こうとするギャラリーと、通路を横切ろうとするギャラリーが入り混じることもあり、ここは≪無法地帯≫なのが通常となっている。

 宮里組のようにギャラリーが多い場合には、選手を安全に次のホールへ行かせようと、係員が声を枯らして「選手を通してください!」と、叫んでいるシーンを見かけることも多い。

 だが、宮里の米ツアーからの帰国と共にヒートアップする人気を予想した運営サイドは宮里組に関してはロープ規制をホール間にも適用。通常は往来が自由なエリアに、宮里が通る間だけロープによって通路を確保して対応しているのだ。

 ここまでギャラリー整理に気を使わなければならなかったのは、これまで世界ランク1位のタイガー・ウッズが来日した時だけというVIP待遇。これも、宮里が日本ゴルフ界を、身長155センチの小さな体に一身に背負うからこそだろう。

 宮里人気が過熱する理由は、米ツアーが主戦場で日本でナマの姿を見られる機会が少ないことや、米国でも活躍し、実力アップしたことを結果で示していることなどがある。

 一方、宮里の活躍と同時にファンのあり方も問われている。

 ゴルフ観戦が初めてのファンが多いのは、底辺拡大という意味で歓迎すべき事態だが、プレーを静かに見守る、写真撮影をしない、など最低限のマナーを守れないファンがいるのも事実。

 宮里ら人気プレーヤーのサインをもらいたい気持ちはわかるが、やはり全員にサインをするのは不可能なのが人気者の宿命だ。

 世界レベルで活躍する選手のプレーを楽しむためにも、見る側も考える必要がありそうだ。

 宮里の次の試合は千葉県・東急セブンハンドレッドで開催される富士通レディース。帰国後初の関東エリアでの試合だけに、ギャラリーの多さが予想されるが、運営サイド、ギャラリーともに≪問題≫のないよう望みたいところだ。

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