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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/31号
2006/1017更新
ジャンボ尾崎、今オフ腰の手術を最終決断。
60歳の再起はあるか?

 プロゴルファーにとって「腰痛」は職業病とも言われる。実際、多くのプロが腰痛に悩まされているが、その代表がジャンボ尾崎である。ジャンボは若い頃からの腰痛持ちで、特にこの10年は坐骨神経痛の症状に苦しんでいた。そして、ついに今オフ、長年避けてきた手術に踏み切ることを自身のブログで発表した。だが、この腰痛という病気は手術で完治するものなのだろうか。今年12月には60歳になるジャンボに復活はあるのか?


トーナメント中でも椅子に座るジャンボ、復活なるか

 先週の日本オープンには出場したが、今季のジャンボは坐骨神経痛が原因で、欠場11試合、途中棄権3試合という散々な状況。自身のブログによれば、若い頃からの腰痛持ちで、検査の結果、腰部脊柱管狭窄症(今年の正月明け、みのもんたが手術を行ったと同じ症状)と腰椎分離症(すべり症)と診断されていたという。

 それでも、長年、整体や鍼灸などで痛みを和らげながらプレーを続けてきた。だが、10年ほど前からは、それが原因で坐骨神経痛となり、ついにはクラブを振るどころか、歩くのもままらぬほど悪化してしまった。

 そのため、この5月以降は試合を休んで、電気治療や投薬、東洋医学(鍼灸)など、様々な治療を試し、さらには≪願掛け≫で禁煙(3カ月で挫折)もするといった涙ぐましい努力も重ねてきた。

 しかし、こうした治療は≪その場しのぎ≫で、劇的な改善は無理と判断。ついに、このオフの手術を決断した。

その決意をブログでは、
「オフに新しい方法、方針で治療をしようと検討中だ。神経に痛みを与える悪いところを削除する。削除するということは、≪CUT BODY≫。腹の中ではその方向で了解している。生まれて初めてということもあるし、やはり様々な葛藤はあるがやむをえないだろう」
 と述べている。

 同ブログではこうした弱気な発言もときどき吐露されているが、彼のホームページにはブログの他に、自筆のメッセージが「今月の書」というタイトルで掲載されている。そこには強気の信念が貫かれており、まだまだ心は折れていないことが伝わってくる。ジャンボの肉声が伝わってくるこのブログ、ファンは是非一読を!

 ところで、ジャンボの脊柱管狭窄症&腰椎分離症だが、簡単に言えば、背骨は短い椎骨とその間でクッションの役割をする椎間板からなっているのだが、その椎骨がずれ、脊柱を通る神経を圧迫する外科的病気。実は、本誌でもおなじみのイラストレーターの嶋口信義氏がまったく同じ症状で、4年前に手術を受けている。

「都内で、名医と言われる先生に手術をしてもらいました。手術は4時間くらい。目が覚めたときには、腰痛は消えていました。チタン製のビスでずれた椎骨を固定し、さらにカーボン素材の筒で椎骨を保護してあります。お陰で、今は腰にまったく不安なく、ゴルフ三昧の毎日です」(嶋口氏)

 嶋口氏の場合は、4年前の8月に退院。医者からは10月にはゴルフも大丈夫と言われたそうだが、やはり不安で、しばらくは練習場でアプローチ程度にとどめた。コースに出たのは、さらに4カ月ほどたった翌年の2月。暖かい島で、再デビューを果たしたそうだ。

 自治医科大学整形外科教授の星野雄一氏(医学博士)は
「一概にはいえませんが、脊柱管狭窄症でも、みのもんたさんは入院から10日余りで退院しています。退院後は2~3カ月で、腰周りの筋肉が戻れば、普通に運動できるようになります」
 と、思ったよりも短期間でゴルフに復帰できることを教えてくれた。

 だから、ジャンボの場合も、オフに入ってすぐに手術すれば、来シーズン早々での復帰が十分可能となる。

 もちろん手術で昔の若い体に戻るわけではない。しかし、腰に不安がなくなれば、スウィングに必要な筋力を鍛え直すことができ、かつてのパワフルなショットに近づけることだろう。

「僕もいろいろな治療を試しましたが、結局は最新医学による外科治療だと実感しました」(嶋口氏)
 ジャンボにも、明るくそう語れる日がやってくることを祈りたい。

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