ゴルフファンにとってうれしいシーズンがやって来た。国内ツアーも大詰めを向かえ、賞金王、女王争いやシード権争いなどの話題が盛りだくさんだが、男女両ツアーで、世界のトッププレーヤーがナマで見られる機会が増えるからだ。
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この秋、誰を応援する?
左からガルシア、タイガー、ウィ
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まず、女子プロファンなら11月3日開幕のミズノクラシック(三重・賢島CC)を観たい。
米ツアーが共催であるため、初の賞金女王タイトルに向けて突っ走るロレーナ・オチョアは出場しないものの、これを阻もうと追い上げるアニカ・ソレンスタム、カリー・ウェブの大御所2人の激突が、その目で見られる。
キム・ミヒョン、パク・セリらの賞金ランキング上位選手や、日本でもおなじみのローラ・デービーズ、グロリア・パークらも出場する。
さらに日本女子オープンで宮里藍との激闘を制したチャン・チョンも来日。普段は米ツアーで仲のいい宮里と再び激突する姿は、将来の米ツアー賞金女王争いを先取りの気分だ。
不動裕理、大山志保、横峯さくらなど日本の実力者も米ツアー勢を受けて立つが、果たしてどこまで踏ん張れるのか。毎年、日米の格差が歴然とする大会だけに、ファンには垂涎だ。
今大会はまた、ソレンスタムの6連覇がかかった試合でもあるが、開催コースがこれまでの瀬田GCから賢島CCに変わったことで、試合展開も変わるやもしれない。
一方、年間通して女子ツアーに押され続けた男子ツアーも、強豪の来日で面白くなる。
11月9日からの三井住友VISA太平洋マスターズ(静岡・太平洋C御殿場)には、世界ランキング9位(順位はいずれも10月22日現在)のセルヒオ・ガルシアと、大会3連覇のかかるダレン・クラークが登場。
日本初優勝を狙うガルシアは、2週前の欧州ツアー、マヨルカ・クラシック2位と調子を上げており、≪神の子≫の暴れっぷりがみもの。
さらに、クラークは、この夏、へザー夫人をガンで亡くしたショックから立ち直り、戦線復帰を果たしているだけに期待は大きい。
9月に行われた名誉をかけた欧米決戦、ライダーカップでも欧州チームを圧勝に導く柱として活躍しているだけに、妻に捧げる大会3連覇を誓っている。
今大会、米ツアー組としてはVISA太平洋の前のアサヒ緑健よみうりから2戦連続参戦中の今田竜二も出場する。
翌週のダンロップ・フェニックス(宮崎・フェニックスCC)には、こちらも大会3連覇を賭けてタイガー・ウッズが乗り込んでくる。
父、アール氏の死で一時は精神的にボロボロになり、全米オープン予選落ちの屈辱も味わった今季のタイガーだが、これを乗り越えると一皮向けた。
全英オープンに優勝し、号泣したシーンは、ファンだけでなく世界中の人々の心を打ったが、そのまま米ツアー6試合連続優勝の記録を更新中。最終戦、ツアー選手権に7試合連続優勝の記録を賭けて挑んだ2週後の来日だけに、より大きくなったタイガーを見られるはずだ。
フェニックスに参戦するのはタイガーだけではない。欧州ツアーで賞金王争いを演じたパドレイ・ハリントン、デビッド・ハウエルが揃い踏み。この号が出る頃には結果が出ているはずだが、いずれも好調なだけにぜひ見たいもの。
欧州勢は賞金ランキング7位のイアン・ポールター、13位のトーマス・ビヨーン、英国出身ながら米ツアーで活躍するジャスティン・ローズらがずらりと揃う。総勢11人の招待外人選手が総額2億円、優勝賞金4000万円を狙っている。
昨年から舞台を高知kochi黒潮CCに移したカシオ・ワールド・オープンも話題集中だ。17歳になった天才少女、ミッシェル・ウィが、昨年に引き続き参戦する。
男子ツアーでの予選通過はアジアンツアー、韓国で行われたSKテレコムオープンですでに果たしたが、ここへきて不調に陥り、男子ツアーでのプレーを非難されている。
それだけに、日本ツアーで再び予選通過を果たして賞金を稼ぎ、外野の声を封印したいところ。来季の出場権がかかる日本勢が必死で戦う中、ウィが別次元の戦いを繰り広げられれば、大会は盛り上がる。
連覇のかかったソレンスタム、タイガー、クラークのほか、世界の強豪の戦いぶりに注目したい。
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