11月2日、閣僚の資産が公開された。現役閣僚18名のうち、ゴルフ会員権を持っている閣僚は11名。このうち、2人の三世議員が数、質において、他を圧倒する形になった。
まずは左の一覧をご覧いただきたい。保有口数では、「ゴルフ大好き」の安倍晋三首相が8コースでトップ。このほか、表にはないが、昭恵夫人がセントラルパークGCの会員権を一口保有している。
内訳を見ると、地元山口の有力企業・宇部興産グループの宇部72CC、下関GCのほか、東富士CCや、福田赳夫氏の私設秘書として名を馳せた、故中澤勤氏率いるSTTの看板コース・千代田CC,石川銀行不正融資事件がきっかけで倒産した、千葉のCCザ・ファーストなど、保有銘柄は実に多彩。
圧巻はもう1人の三世議員・麻生太郎外務大臣。口数こそ6口と、安倍首相よりも2口少ないが、銘柄がすごい。
名門・軽井沢GC(長野)、古賀GC(福岡)、東京GC(埼玉)を保有している上に、「普段は東京を離れられないので、(ビジターとして)小金井CCでプレーすることが多い。同郷の藤井義将プロの指導を受け、腕前はシングル」(外務省側近筋)だという。
自ら理事長を務める麻生飯塚GCは、麻生グループの経営で、子息も会員権を保有。また、婦人が朝霞ジャンボリーGCの会員権を保有している。
リスト中唯一の二世議員・塩崎恭久官房長官は、選挙区の地元愛媛の2コースの他、千葉の房総CCを保有。安倍、麻生両氏に比べると銘柄、数ともにぐっと控えめだ。
富山が選挙区の長勢甚遠法務大臣は、地元富山の2コース、広島県選出で、三原市長の経験もある溝手顕正国家公安委員長も広島の2コース、群馬が地元の佐田玄一郎行政改革委員長も、群馬県内ばかり3コース。
が、阿蘇熊本の生まれで選挙区も熊本3区の松岡利勝農水大臣は、なぜか島根に2コース保有。久間章生防衛庁長官も選挙区は長野だが、保有コースは福島だ。
破綻コースも結構目に付く。 安倍首相のCCザ・ファーストは会社更生手続を経てゴールドマン・サックスへ経営が移っているし、千代田CCの経営会社だったSTTは民事再生手続を経てローン・スターグループに経営が移った。
東名厚木の経営会社だった旧日本ゴルフ振興は、再生手続きから会社更生手続に変わり、スポンサーもローン・スターに決まりかけていたものをゴールドマン・サックスがひっくり返し、最終的にローン・スターが再逆転を果たすどたばたがあった。
また、グレンオークスCCの経営会社・東和ランドは、ゴールドマン・サックス傘下に入ってから民事再生手続きをとった。キングフィールズは再生手続きを経て、一旦太平洋クラブに決まりかけたスポンサーが、最終的に磯子CCに。
五浦庭園は、スポンサーなし、会員の自主再建で再生計画案が可決され、その後会員の一部から即時抗告の申立を受けた有名案件。結局即時抗告は退けられ、当初案で落着した。
閣僚とはいえ破綻コースを見極める眼力はなかったということか? まあ、当時を思うと、それも仕方がないにせよ、 麻生大臣以外は敷居が高すぎるコースはほとんどない。もしかしたらコースで大臣の素顔を拝めるかも!?
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