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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/5号
2006/11/21更新

米ツアー・フェデックスカップのボーナス
1000万ドルの支払いを巡っての噂話

 来年のフェデックスカップの賞金の支払方法が、米ツアーのプレーヤーの間でちょっとした話題となっている。このフェデックスカップというのは、米PGAツアーが、来年から始めるプレーオフのことで、8月下旬から9月中旬までの最終4試合のポイントを争うもの。このポイントトップ、すなわち優勝した選手1人になんと1000万ドルものお金が支払われるのだ。

 フェデックスカップは、8月中旬までの各試合で、プレーオフの出場権(144名)を争い、この間に稼いだポイントの順位に応じて、プレーオフのスタート時点の持ち点数が決められて争われる。

 つまり、レギュラーシーズンでは振るわず、ようやくプレーオフに参加できた者でも、ハンディはあるものの、プレーオフでの優勝が可能になる。

 しかも、各試合の賞金とは別に、このプレーオフのポイントによる最高得点者(優勝者)には、なんとボーナス賞金として1000万ドル、日本円にして約11億8000万円が支払われるのだ。

 金額が金額だけに問題になっているのは支払い方法だ。まともに現金で支払われれば、税金などに4~5億円は、支払わなければならなくなり、そんな税金は支払いたくない、などというプレーヤーが、少なからずいるからだ。

 年金や引退後に支払われる基金として、PGAツアーが蓄えるという形にすれば、節税になることから、年金派と現金派とに意見が分かれて、取らぬ狸の皮算用で、熱い話題になっているという。

 過去10年、米ツアーの賞金は、瞬く間に急上昇して、200万ドル以上は稼がないと、先のツアー選手権の出場資格である賞金ランキングベスト30にも入れないほど。今年のランキング100位のプレーヤーでさえ、88万ドル近くも稼いでいるのだから、日本円にすれば年収で1億円以上。

 ツアー選手権の話で言えば、T・ウッズもP・ミケルソンも欠場しているが、この試合は出るだけで最下位でも10万ドルが、約束されていたのだ。

 つまりは、1200万円程度のはした金(?)には、タイガーやミケルソンクラスともなると魅力を感じないし、1日300万円程度では、4日間も働きたくもないということなのだろう。

 なにやら、お金の感覚が麻痺しているような話だが、いずれにしても、当面の金には困ってはいないトッププレーヤーたちだが、ボーナスの賞金に関しては、節税した方が良いと考える選手がいるのも不思議ではない。

「結局は、トップ10のプレーヤーには、現金で支払われ、残りのプレーヤーには、年金のような形で、貯めておかれるようになるのではないだろうか?」と語るのは、今季261万ドル(約3億円強)を稼いでランキング20位となったブレッド・クイグリーだ。

 というのも、まだ詳細はまだ明らかにされていないが、プレーオフの1位のプレーヤーには、1000万ドルが支払われるのが決まっているが、2位以下は、はっきりしていない。しかし、予想では、2位が300万ドル、3位が100万ドルという話もある。

 リストの下の方で、小額ボーナスを貰っても、人生が変わるわけではないため年金でストックするという考えや、その一方、金額が大きければ家を購入したばかりの人間や、全額寄付をしようと思っている選手など、プレーヤーによって事情が異なるため現金で支払う方が良いという考えもある。

 クイグリー本人は、「1000万ドルを手にしたら、もう2度と、試合で自分の姿を見ることはなくなるよ」とか。

 宝くじに当たったら、仕事はやめて、即引退などという声は、巷ではよく聞かれる言葉だが、クイグリーの考えはまさにこれと一緒だ。

 二クラスのメジャー優勝記録を目標にしているタイガーのように、競技ゴルフが大好きで、目指すものを持っているプレーヤーならいざ知らず、クイグリーのように、30代後半で、先が見えてきたプレーヤーが、一度に10数億円の金を手にしたら、ゴルフをやめてしまうなんてこともありえないことではない。

 今月中にも、プレーオフのボーナス賞金の配分や支払方法が決まるはずだが、その内容はともかく、あまりにも高額な賞金というのにも、問題があるといえるのかもしれない。

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