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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/5号
2006/11/21更新
頻発するクラブ盗難。
犯人が捕まって分かった盗品流通経路と予防対策

 神奈川県警捜査3課と相模原南署は、8月7日車上狙いによる連続窃盗事件の容疑者を逮捕した。駐車中の乗用車から盗まれたのはゴルフバッグばかり。ここ数年、全国的に車上ねらいそのものの発生件数は減少傾向にあるが、換金性の高いゴルフクラブに目を付けた犯行は後を絶たないようだ。

 ゴルフクラブ専門の車上ねらいを繰り返していたのは、無職高松巧也被告(32)と風俗店従業員青木智広被告(31)の2人組(いずれも窃盗罪で起訴)

 逮捕につながった直接の容疑は、今年6月21日の午前2時40分頃から同3時40分頃にかけて神奈川県海老名市内の駐車場にとめてあった乗用車5台の車内からゴルフバッグごとゴルフクラブ計69本(計37万円相当)を盗んだ5件の犯行だが、神奈川県警捜査3課などではかなりの余罪があるとみて追求してきた。

 同課によると2人は昨年5月頃からゴルフクラブの窃盗を繰り返し、その被害は合計146件、盗んだクラブは1640本、金額にして1830万円に及ぶとみられている。

 短期間にこれだけの本数のゴルフクラブを盗んで、いったいどのように売りさばいていたのだろうか。

 盗品を足のつきにくい他地域へ流すブローカーの存在やネットオークションで売る手口も明らかになっているが、今回の2人組は大胆にも同県内数カ所の中古ショップへ大量に盗品を持ち込み、約300万円を稼いでいた。

 そして、2人の供述にもとづき、高松被告から盗んだゴルフクラブと知りながら約50本を8万円で買い取った盗品等有償譲り受けの疑いで、相模原市の中古クラブ店「ゴルフアミーゴ」を経営する北條誠容疑者(41)が、11月8日に逮捕された。

 2人組は約30回にわたって盗んだゴルフクラブを売ったと供述しているが、北條容疑者は「盗品とは知らなかった」として余罪を含めた容疑を否認している。しかし、同じ人物が大量のゴルフクラブを持ち込むこと自体不自然だ。

「お客様ごとに買い取りの履歴が残るし、使っていたクラブかどうかはスペックでわかる」(大手中古ショップ店長)ということで、知らなかったということは考えにくい。

 通常は身分証の提示がなければ買い取りしない仕組みだが、今回のように店側が盗品と承知の上で関与していれば、形式的な身分確認など何の抑止効果にもならない。

 また、厳格な身分確認を行っている中古クラブ店でも
「1回や2回の来店では怪しい品物かどうか判断できないし、買い取りを拒否する理由もない」という。

 さらに最近では、東南アジアなど盗んだクラブを外国に持ち出すルートもあるといわれており、ゴルフクラブがねらい撃ちされるリスクは高まっているという見方もある。

 結局のところ、大切なゴルフクラブを守れるのは自分しかない。

「車上ねらいほどかんたんな犯罪はない」(神奈川県警広報県民課)

今回の2人組も、窓ガラスをハンマーでたたき割る荒っぽい手口で続けざまの犯行に及んだ。防犯装置があってもお構いなしだったり、人通りのある場所で堂々と犯行におよぶケースも多い。こうなると完全な自衛策は車にゴルフバッグを置かないことしかない。

また、ゴルフ場の行き帰りなど、出先でちょっとしたすきに盗まれるケースも増えており、これを防ぐにはバッグをチェーン式のロックで荷室内のフックに固定する方法が有効だ。自分が面倒なことは泥棒にとっても面倒。こと防犯に関しては労を惜しまないことが肝心だ。

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