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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/5号
2006/11/21更新
アコーディア上場で分かった目論みと、
PGグループとの違いと共通項

 見れば見るほどそっくりな、アコーディアゴルフとパシフィックゴルフグループインターナショナル・ホールディングス(以下、PGGIH)。11月1日、アコーディアの上場によって、両社は同じ東証一部上場会社になった。これによってアコーディアの目論むところが明らかになったが、これを契機に2大ゴルフ会社の共通点、違いに迫ってみた。

この2社、とにかくよく似ている。まずは保有コース数。アコーディアは11月14日現在で105コース(うち、3ホールの練習施設1カ所と運営受託のみ1カ所を含む)で、PGGIHは107コース(うち運営受託のみは8コース)

 株価はアコーディアが11月14日終値で15万8000円で、PGGIHが16万3000円と微妙に高いが、アコーディア上場後の半月間を見る限りほぼ近似値だ。

 直近の業績予想でも両社はそっくり。保有コース数が似たようなものだから当然と言えば当然なのかもしれないが、アコーディアが平成19年3月期予想で、売上高677億円に対し、PGGIHは平成18年12月期予想で、売上高667億円。

「同じ事業をやっているわけですし、お互いよく似ていると思う。良いところは取り入れ合って、刺激し合い、メンバー中心ではあるけれど、一般に受け入れられるゴルファーが増える施策をどんどんやっていきたい」(アコーディア広報)

 PGGIHはまだ配当を実施していないが、11月14日、株主優待制度の導入を発表した。PGGIHは12月決算の会社なので、12月31日時点で、保有株数が1株以上8株未満の株主1人につき1枚、傘下コースの平日プレー料金無料券がもらえる。

 無料対象となるのはグリーンフィ、諸経費、カートフィで、キャディフィや飲食代、ゴルフ場利用税は対象外。利用できるコースは全国84コース。8株以上15株未満保有の株主は、この優待券が2枚もらえて、15株以上だと利用可能コース数が全国96カ所で枚数は2枚。

 アコーディアもいまのところ、配当や株主優待を実施するということは表明していないが、「配当はしかるべき時期に出す考えはある」(アコーディア広報)という。

「良いことはどんどんお互いにとりいれる」というのだから、アコーディアも追随する可能性はあるだろう。

 ところで、両社の株価は同じように見えるが、実は意味合いはだいぶ違う。

一般に株式市場に上場する際には、新たに上場する会社自身が新たに株券を発行する(=公募)ほか、大株主から持株の一部を放出(=売出)してもらう。証券市場に株を上場するということは、投資家がちゃんと売り買い出来るくらいの量の株券を用意しなければならないからだ。

 同じ会社の株券に違う値段がついたらヘンなので、公募価格と売出価格は普通同じ値段にするのだが、その公募・売出価格が、PGGIHは11万2000円に対しアコーディアは19万5000円。

 つまり、PGGIHは公募売出価格よりも今の株価の方が高いが、アコーディアは安い。同じように見える両社の株価だが、実はアコーディアの方が経営者はより株価を上げる努力をしなければならないのである。

 その原因は、主に親会社が売りに出した株券の量にある。

「一般に大株主の売出株数が多いと、その会社は≪大株主があまり将来性に期待していない会社≫だと、投資家が判断してしまう傾向にあるので、株価は安くなりやすい」(株式市場関係者)

上場と同時に保有株の一部を手放したという点ではゴールドマン・サックス(以下GS)もローンスター(以下LS)も同じだが、LSが3割しか手放さなかったのに対し、GSは6割弱を手放し、GSの保有割合は44パーセントにまで下がっている。

GSはアコーディアの上場日から6カ月間は、これ以上の売却は出来ない契約になっているが、≪年季≫が明けたらさらに売却するのだろうか。

 GSが大量に売りに出せばさらに株価は下がるが、この点についてGSは「ノーコメント」。今は一卵性双生児の両社、何年後かには違っているかも?

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