男子より一足早く決着がついた女子のシード権争いは、初シードが4人、復帰が5人、落選が8人という結果になった。賞金ランク上位50名(永久シードの不動裕理を除くため51位まで)に与えられる来季のシード権獲得のチャンスは、大王製紙エリエールレディスまで。悲喜こもごものシード権争いの結果が出た。
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07年は任せて! 初シードの上田(左)と藤田
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エリエールレディスの前週、伊藤園レディスで優勝争いを演じ、2位となった白戸由香が、72位から49位にランクアップ。エリエールでも16位に入り49位でシード権維持に成功した。
さらに、もっと土壇場でサバイバルレースを勝ち抜いたのが佐々木慶子だ。大会直前のランキングは60位。8位以内に入らなければ、2年間キープした権利を失う崖っぷちにいた。
けれども、初日こそ11位とやや出遅れたが、ここから尻上がりに順位を上げて6位でフィニッシュ。ランキング46位で来季の権利を勝ち取っている。
対照的に、51位でエリエールに臨んで首位発進し、逆転シードを狙った成田いづみの夢はかなわなかった。最終日75を叩いて26位に終わり、ランキング52位と、あと一歩のところで落選し、QT行きが決まった。
まだプロ2年目の23歳だけに「課題が見つかりました」と前向きな姿勢を見せたが、プロの最も厳しいところをいきなり経験するハメになった。
ツアー9勝の実力者で2人の子を持つママさんプロとしても知られる木村敏美も落選組。不調の今季は、小学校6年生の長男、翔くんにNEC軽井沢でキャディを務めさせるなどして踏ん張ったが、トップ10が1度では苦しい。体調不良もあって72位と低迷し、2000年以来、6年連続で確保してきたシードを手放した。
また、通算24勝で米ツアー優勝経験もある韓国勢のパイオニア、ク・オッキを始めとする落選組は肩を落としながらも新しい生活への準備に余念がない。
特に16年間キープしたシード権を失ったク・オッキは、78位という成績。QT受験を口にしたが、50歳という年齢もあり「半分は休みます」と、第一線からは少し引く構えを見せている。
他に鬼沢信子、塩田亜飛美、阿蘇紀子、城戸富貴、藤野オリエ、高崎奈央子がシード権を失っている。
新しいシード選手の中で目立っていたのは上田桃子、藤田幸希の20、21歳コンビだ。初優勝こそできなかったものの、ルーキーとしてシーズンに臨み、米ツアーと共催のミズノクラシックでカリー・ウェブ(豪)と優勝争いを演じた上田は、14位と堂々のシード権獲得。
師匠の江連忠と開幕前に掲げた「3勝。ランキング15位以内」という目標のうち、ひとつを達成した。
藤田はQTからのツアー参戦でLPGA非会員のままプロミスレディスで初優勝。その後、ツアー会員となり、連戦を重ねてランキング24位とすっかり存在感を増している。イキのいい若手が女子ツアーをかき回すようになれば、試合がもっと盛り上がることは必至だ。
また、米国同様、台頭が著しい韓国勢は、ベ・ジュヒ(37位)が初シード、イ・ジョンウン(18位)、ハン・ジヨン(47位)が返り咲きと、勢力を拡大している。イ・ジョンウンは昨年シード落ちしたが、18位としっかり復帰してきた。
初シードはほかに小川あいが獲得。05年に宮里藍と組んで第1回ワールドカップに優勝した北田瑠衣、理事として活躍する入江由香、渡辺聖衣子が返り咲きしている。
≪初シード(4人)≫
上田桃子
藤田幸希
ベ・ジェヒ
小川あい
≪返り咲き(5人)≫
イ・ジョンウン
北田瑠衣
入江由香
渡辺聖衣子
ハン・ジヨン
≪喪失組(8人)≫
鬼沢信子
塩田亜飛美
木村敏美
阿蘇紀子
ク・オッキ
城戸富貴
藤野オリエ
高崎奈央子
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