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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/19号
2006/12/5更新
借金清算の一環、西武系の会員制ゴルフ場、
初の民事再生で譲渡先決まる

 西武グループ系のゴルフ場・伊勢高原CC(三重県)の経営会社・伊勢高原リゾート(株)が、西武グループとしては初の民事再生手続きの開始を申したてた。大企業の系列コース経営会社民事再生を選ぶケースは既にいくつか出ているが、西武グループにとっても、グループ会社の民事再生もタブーではなかったといえる。

 西武グループは一連の再編を経て、現在では持株会社の下に、西武鉄道とプリンスホテルがぶら下がる形になっている。コクド、プリンスホテル、西武鉄道の3社がそれぞれに似たような事業を手掛けていた頃に比べればずいぶん整理は進んだものの、それでもまだまだ不完全。

 特にゴルフ場に関しては、国内43コースのうち、プリンスホテルの傘下コースは川奈や軽井沢72など35コース。残る国内11コースと海外5コースが西武鉄道傘下のコースだ。

 プリンス系の35コースのうち、10コースについては、今年6月にプリンスが売却を前提に、コース所在地の自治体と協議を開始。

 一方、西武鉄道系のコースについては、今年6月の時点では「鉄道とのシナジー効果を考えて、鉄道グループ傘下に置いており、現状売却もしくは撤退を検討していない」としていた。

 今回民事再生の申立を行った伊勢高原リゾート(株)は、西武鉄道の100パーセント子会社である西武建設の100パーセント子会社。つまり西武鉄道の100パーセント孫会社ということになる。

 パブリックが大半を占める西武系コースの中では、久邇と並ぶ、数少ないメンバーシップコースで、預託金総額は35億円強。会員は約400名強いる。

 預託金の返還請求期限は平成30年と、まだだいぶ先だが、「このままの経営状態で行くと35億円の返還原資を確保出来ないばかりか、必要な設備の改修もままならない。さりとて親会社の西武建設にも支援する余裕はないため、申立に至った」(西武鉄道広報)という。

 既に内定しているスポンサーは、大証ヘラクレス上場の(株)トーシン。本業の携帯電話販売以外に、新生銀行と組んで不動産の流動化事業に進出しており、ゴルフ場事業にも子会社のトーシンリゾートで参入している。

 旧太郎門CC(現TOKYO North Hills GC)の営業権を取得しているほか、富加CCの運営も受託、今回の伊勢高原で3コースめ。「今後もゴルフ場事業は積極的に拡大したい。長期的には30コースが目標」(石田信文社長)というスタンス。

現在の予定では、来年2月末に7億1000万円で営業譲渡が実施される予定で、会員のプレー権は確保する。

 他の西武鉄道傘下のコースのついては、「現状これ以上の売却もしくは撤退は検討していない」(西武鉄道広報)という。

 一方プリンス系では既に横須賀、横浜、幕張の各プリンスホテルの売却が済み、六本木プリンスホテルも12月25日で営業を終了、「(今年度末にあたる)来年3月までには売却先を決めたい」(プリンスホテル広報)という。

 また、今年6月に公表していたスキー場や隣接するホテル、そしてゴルフ場10コースについても、すべて「年度内の売却を目指している」(同)

 気になる売却先だが、全コースを1社に譲渡するのか、それとも数社に分かれるのか、はたまた細かくバラ売りされるのかについては「自治体との交渉の問題もあるので、現段階では公表出来る段階にない」というが、これだけまとまったコース数が出ることはまずもうない。今後の動向に注目しよう。

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