タイガー・ウッズが、コース設計に乗り出すことが決まった。ウッズは、先の11月にタイガー・ウッズ・デザイン社(TWD)を立ち上げ、12月初旬に、最初のコースをアラブ首長国連邦のドバイで設計することを発表した。タイガー設計のコースはどんなものだろうか。
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3年後の開場が楽しみ
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「僕の目標は、世界にゴルフというスポーツを広め、発展させること。ドバイは、僕の目標にあった場所で、やりがいがある。これまでの経験を生かして、長く語り継がれるようなすばらしいコースを作り、人々がプレーをするのをエキサイトするようなコースにしたい」(ウッズ)
現在、ドバイには8コースがあり、E・エルスやC・モンゴメリーなどが設計したコースが存在するが、今回の新コースのプロジェクトを進めるタトウィール社のサイード・アル・ムンタフィク会長は「最初からタイガー以外に設計を頼むつもりはなかった。というのも、最高の人間と仕事をすることしか考えていなかったからだ」と抱負を語った。
タトウィールという会社は、ドバイホールディングの傘下で、会社は王族が経営する、いわば国営企業。
この地区最大の観光レジャープロジェクトであるドバイランド内に、「アル・ルワヤ」と名付けられた、ウッズ設計のコースが2009年末に完成する予定となっている。
それだけに、オイルマネーをふんだんに使い、「砂漠の土地を世界的な水準のゴルフコースに変える挑戦」がウッズの意欲をかきたてた一方、「2000年に初めて訪れて以来、ドバイの発展には目を見張るものがあり、僕は、そうしたすばらしい計画の一翼を担いたかった」(ウッズ)ということで、双方の思いがぴったりとマッチした。
ただ、アメリカではウッズの初設計コースは≪予定どおり≫海外だったとうがった見方をする向きもいる。
というのも、J・二クラスやT・ファジオといった、トップクラスの設計家のデザイン料の相場は、200万ドル前後といわれているからだ。
この金額は、ウッズが、海外の1試合1週間でのアピアランスフィー(試合出場料)と同額程度。
現場には1、2度顔を出すだけ、名前を貸すだけの監修という手もあるが、初めてのコース設計で「他とはまったく違う、自分流のものを作り出したい」とタイガー自身が語るように、力を注いでゆくことが予想されるところから、1、2週間程度の拘束で済むわけもない。
つまりは、ゴルフ場の設計料金の最高金額が、更新されたと見て、間違いがないようなのだ。
その一方、会員権という制度のないアメリカなどでは、あまり高額なデザイン料を支払っては、経営が成り立たなくなる。だからこそ、海外で、オイルマネーが潤沢なドバイで、設計を手がけることになったという噂も聞こえてくる。
他の現役プレーヤーとは異なり、デザイン会社を興しての設計とあって、今後もウッズ設計のコースを続々増やしてゆく計画という。ウッズの才能と湯水のように沸くオイルマネーとのジョイントベンチャー。「アル・ルワヤ」がどんなコースになるのか、3年後の開場が待ち遠しい限りだ。
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