米女子ツアーで、韓国勢の活躍が目立った06年。07年はさらに日本にも韓国旋風が巻き起こるかもしれない。韓国人の一般ゴルファーが日本のゴルフ場を求めてやって来るだけに留まらず、プロゴルファーも大挙押し寄せて来る気配なのだ。
07年の出場権をかけて行われた女子ファイナルQTは、韓国選手が7人も通過。05年の2人から急増し、1次からの出場者数は、05年の11人から26人に、ファイナル進出も4人から11人に増えたことからいえば当然の結果だ。
しかし、なぜ日本のQT受験が急増したのか?
大きな理由はウォン高にある。
現在韓国ウォンは1万円で約7万7000ウォン。以前は1万円で10万ウォンだったので、約2割以上目減りしている状態だ。
日本人が韓国へ行けば、かなり損している感じでも、逆に韓国人にとってみれば ≪おいしい≫わけだ。
日本のプロ資格を持たない非会員の韓国選手の受験料は、1次、2次、各5万2500円、3次、ファイナル(4次)、各10万5000円となり、合計すると、ファイナルまでに31万5000円かかることになる。
つまり、05年には予算が約315万ウォン必要だったのだが、現在なら約243万ウォンで済むのだ。もちろん、交通費や経費も安く抑えられる。すぐにお金を稼げない若い韓国選手にとって、魅力的だろう。
だが、ウォン高は世界的な現象で、ドルに対しても強く、米ツアーを受験しやすいとも言えるが……。
06年日本の賞金ランク2位で、1億円プレーヤーとなったジョン・ミジョンは、「日本へ来てから日本人も日本文化も日本ツアーも日本選手も、みんな好きになりました。これからプロを目指す多くの韓国選手に、日本ツアーを勧めたい」と、韓国選手が日本の良さを伝え知ったことも理由のひとつになっている。
さらに、米ツアーで06年に1勝したミーナ・リーの父が「娘には日本ツアーでプレーして欲しいと思っています。アメリカでは移動が多くて、経費も日本の3倍以上。日本は韓国にも近いですから。賞金だったらアメリカよりむしろ日本のほうが稼げると思いますよ」と語ったように、日本ツアーは賞金総額も増えていて、賞金だけをとっても、米ツアーとさほど違いがない、という印象から、キム・ミヒョンら、日本でのプレーを希望している米ツアー選手も増えている。
米国の場合には賞金総額の半分以上を韓国勢が独占しているが、07年の日本ツアーにもそうなる可能性が十分あるだろう。
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