この4年間ですっかり塗り変わってしまったゴルフ場保有ランキング。4年前に上位10社に入っていた経営会社で、今回も残っているのは西武グループ、東急グループのみとなった。最新事情を紹介しよう。
12月11日現在の保有コース数ランキングは下記の通り。尚、運営受託のみのコース数は除外してある。
≪主なグループ別ゴルフ場会社≫
【順位】 |
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【経営会社】 |
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【保有コース数】 |
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NSAJはオリックスがスポンサー
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1 |
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PGGIH |
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98 |
2 |
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アコーディア |
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95 |
3 |
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西武グループ |
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46(海外5) |
4 |
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東急グループ |
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31(海外1) |
5 |
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オリックス |
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22(他内定2) |
6 |
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市川造園グループ |
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22 |
7 |
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太平洋グループ |
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17 |
8 |
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ユニマットグループ |
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16 |
9 |
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リゾートソリューション |
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11 |
10 |
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大和ハウス工業 |
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10 |
10 |
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ジェイゴルフ |
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10 |
西武グループは06年夏、国内46コースのうち、阿蘇プリンスホテルゴルフ場など、11コースを売却する意向を表明。このうち既に売却が決まったのはニセコ東山プリンスホテルゴルフ場、ニセコゴルフ場、それに鰺ヶ沢高原ゴルフ場の3コース。
また当初売却予定に入っていなかった伊勢高原CCも売却が決まり、目論見通り07年3月末の決算期末までにあと8コースの売却が決まれば、コース数は34コースまで減る。
一方国内31コースと、西武の背中をとらえた感のある東急グループは、31コース中19コースが東急不動産の保有コース。過去、一部保有コースを売却する一方で新規の取得も併行して行うなど、コースの入れ替えを実施してきた。
「今後も既存コースとの相乗効果が見込めるコースや、コース自体のポテンシャルが高いコースは取得していきたい」(東急不動産広報)という。
市川造園グループもひたひたと保有数を上げている。表の数字は市川造園土木系列分と、市川金治郎会長個人及びロイヤルヴィレッジゴルフクラブ系列分を合算したものだが、市川会長個人系列のコース数が着実な伸びを見せている。
そして05年から06年にかけての2年間で、一挙にコース数を増やしたのがオリックス。12年前の真里谷CCの自己競落から10年間で、取得したコース数の累計は7コースだったが、05年の富士カングループの9コース、06年のシンコーグループの6コースの取得で一挙に22コースに。
さらに、会社更生手続中だった比良GCのスポンサー就任が正式に決定しているほか、ニュー・セントアンドリュースGCジャパン(NSAJ)のスポンサーにも内定。
ジャック・ニクラス設計のNSAJは音に聞こえた難コース。会員は競技指向が強く、当然技術レベルも極めて高いだけに、どんな舵取りをするのか注目に値する。
「40~50コースをメドに買っていきたいが、丁寧に買いたいので来年中にいきなり40コースなどということはまずない」(オリックス広報)という。
一方、ランキングから姿を消した経営会社の大半が、民事再生や会社更生など経営破綻が原因であるのに対し、経営破綻を免れながらもひっそり姿を消したのが旧富士カングループ。
オリックスなど外部スポンサーへの譲渡を免れた12コースは、いずれも株主会員がいるコースで、06年6月以降各コース独自の経営に移行しており、経営上の意志決定は各コースごとにバラバラというのが実情だ。
ランキングに登場しない9コース保有では、アーバンコーポレーションや安達建設グループなど、新旧勢力が併存。
ゼクスやパシフィックマネジメントといった新興の上場不動産会社もゴルフ場取得には意欲的。07年の今頃は、ランキングに登場する顔触れはさらに変わっているかもしれない。
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