06年の世相で、ゴルフ界にも影響が及んだ問題に飲酒運転があった。8月の福岡市での幼児3人死亡事故の波紋から社会問題化し、その後、多くのサービス業で運転者にお酒を供しないという動きが巻き起こった。そして、ゴルフ場でも様々な飲酒運転回避の取り組みが続いた。
ゴルフ場での飲酒は、まずは02年6月の道交法改正を機に一気に減少した。罰金30万円。お酒を飲ませたコンペの幹事やゴルフ場側も責任を問われるということで、パーティメニューからアルコール類を外すゴルフ場も増えた。
東京・八王子CCの大石順一総支配人によれば、「その直後、食堂は仕入れ値ベースで30パーセントほど落ち込みました」と明かす。アルコール類とおつまみの食材の消費が、それだけ減ったということだ。
飲酒対策に、もっと徹底した回避策を講じたゴルフ場がある。長崎市の滑石ゴルフ場では、先の福岡市での大事故の受け、10月4日から一切のアルコール類の販売をやめた。
この思い切った英断に「ご不満の声は絶えませんが、全体的には理解してくださるお客さんが思ったより多かったですね」と同ゴルフ場。飲酒運転が社会問題化する中での実施だったので、案外、好意的な声が多かったそうだ。
「以前はお家で待つ奥様が、ご主人がいつも飲酒運転で帰ってくるので心配しているといった声を聞き、我々も心穏やかではいられませんでしたから」と、徹底した対策にすっきりした様子だ。
こうした動きは、鉄道網がなく、飲酒運転に寛容? といわれる沖縄のゴルフ場でも広がり始めた。守礼CCでは毎月会員に配布してきた「アルコール飲料券」を「ソフトドリンク券」に替え、会員サービスで行う「お誕生日コンペ」で提供する飲料をワインからウーロン茶に替えた。
宜野座CCでは「私は車を運転します」と書かれたワッペンを用意して、運転者全員につけてもらっている。
また、琉球GCでも運転代行業者と契約し、料金の一部を肩代わりすることを検討中とのことだ。
「しかし、最後は運転者本人の自覚に任せるしかありません」(前出・大石氏)。これからの季節は何かと飲む機会が増えるが、運転前のお酒は、我慢、我慢! の一語だ。
|