07年は女子プロたちの海外志向がさらに強まりそうだ。米ツアーを主戦場にする宮里藍を初め、大山志保、横峯さくら、日本ツアーの主力選手の目は軒なみ海外に向けられている。
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海外で勝ちたい! 左から宮里、横峯、大山
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昨年の国内賞金女王、大山志保は、シーズン終了と共に海外へ家族旅行を楽しんだが、帰国後は取材や表彰などのスケジュールがビッシリ詰まっていた。
日本プロスポーツ大賞特別賞も受賞し、WBC日本代表や同監督の王貞治、横綱朝青龍らが揃う晴れの席に並んで「緊張しました」と、女王の務めを果たした。
スポンサー関連の行事やこうした女王としての≪顔≫の仕事に忙殺された06年だったが、年明けと共に一転。「全部(06年のうちに)終わらせて、練習します」と、次の目標に向けて気合を入れている。
今年最大の目標は好調さを維持して秋口に行われる米ツアーのQT挑戦だ。その前には、招待状が届くはずのクラフト・ナビスコ選手権、全英女子オープンなど、メジャー参戦も待ち構えている。
「(米ツアーに)行くからには予選通過を目指すのではなく、ちゃんと上位で戦いたい」(大山)。その言葉を実践するためにも、重要なオフとなる。
一方、多忙さでは女子プロNO.1の人気者、宮里藍も12月25日、クリスマスで仕事を打ち上げた。所属先、サントリーのジュニアクリニックで、子供たち相手に奮闘。先に行われた3ツアーズチャレンジ終了後も、9ホールだが子供たちとのラウンドをこなし、その腕前を見極めた上でゲームを提案するなど貫禄十分。
「ジュニアを卒業してからまだ3年しか経ってないですから」と笑いながらも、子供たちの気持ちを十分にわかった対応を見せており、底辺拡大にも十分な活躍を見せている。
新しい年はコーチの父、優氏と聖志、優作の2人の兄と共に始動。2年連続で出場したワールドカップも今年は辞退して、米ツアー初優勝に向けてトレーニングに励む。
初戦は米ツアー開幕戦、ハワイでの試合からだ。
賞金ランク3位で06年を終えた横峯さくらも、国内中心のこれまでとは一転。海外への思いを口にしている。
次姉、瑠衣が欧州ツアーのQTを受験し、一部のトーナメントに出場することもあり、一緒に参戦することを画策しているのだ。バッグを担ぐことも多い父・良郎氏も、海外志向を強めており、その傾向に拍車がかかりそうだ。
すでに欧州ツアー、ANZマスターズ、米ツアーのフィールズオープン(いずれも2月)の参戦が決定しており、これに欧州ツアー数試合が加われば、これまでとは違うスケジュールで世界に羽ばたく姿が見られるに違いない。
一方、33歳となったベテラン、福嶋晃子も今年は海外志向を口にしている。
96、97年と国内賞金女王タイトルに輝いた後、99年から米ツアーに参戦。2勝をあげたが5年で撤退。その後は国内に専念していた。とくにここ2年間は右肩、左くるぶしに故障を抱え、その影響で腰痛まで併発したことも関係している。
だが、今年は20代の選手が台頭する中、ベテランとして気を吐き、2勝したことで自信を取り戻し、メジャーの舞台への再挑戦を口にし始めた。日本選手としては数少ない大型プレーヤーの第二の戦いも楽しみだ。
トッププレーヤーが流出すると突然、日本ツアーが寂しくなるが、ファンとしては日米欧とどちらでも活躍してもらいたいというのが実情。彼女たちが留守になる国内ツアーにも新たな主役が出現することを祈りたい。
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