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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/6号
2007/1/23更新
定年後はコースのそばに住みたい。
ゴルフ場を中心にした住宅が人気

 定年退職後は、環境の良い土地や趣味・趣向に合った土地に転居、あるいはロングステイし、≪第2の人生≫をのんびり過ごそうとする人が増えている。ゴルファーの中には、目の前にゴルフ場がある家で暮らすのが夢という人は少なくないはず。実は国内にも、そうした環境に近い街づくりがなされ、住民を増やしている土地がある。


街の中心にゴルフ場が。移住者特別料金・平日ハーフ2500円の秋月CC

 福岡市の南東、車で約45分のところにある朝倉市。そこに96年の開発当初から、高齢者にやさしい街づくりを進めてきた「美奈宜の杜」という街がある。その中心にあるのが秋月CCという9ホールのゴルフ場で、街に活気と魅力を与えている。

 ちなみに同CCは各ホールにティとグリーンが各2カ所あり、ハーフごと違ったホールとして18ホールのラウンドが楽しめる設計になっている。

 現在まで、約800区画が販売され、うち約500区間が売れているこの街は、もともと≪アクティブシニアタウン≫という構想で開発されてきた。

 そのため、町内には多くのサークル活動が行われているコミュニティセンターを始め、医療施設やセキュリティサービスなどが充実。また、3年前には温泉掘削に成功し、2カ所の温泉施設のほか、家庭への供給が可能な区画もある。

 こうした設備が呼び水となり、今や世帯の9割以上が定年退職者の世帯で、平均年齢は63歳にも達するという。まさしくシニアタウンである。

 しかも、居住者の半分以上を関東、関西方面からの転入者が占めている。ディベロッパーの西日本ビル(株)・美奈宜の杜事業部管理部長の田野康行氏によれば、「多くは地元の縁故者ですが、最近は縁のない方も増えてきました」とのことだ。

 遠くから人を引き寄せる魅力のひとつに、実質的にセミパブリックで営業されている秋月CCがある。

「ゴルフ場があるから、という理由で購入された人はまだ少数ですが、ゴルフ場の緑が広がる環境の良さが気に入ってという方は多いですね。なかには、こちらに来てからゴルフを始めた70歳の女性もいらっしゃいます」(田野氏)

 同CCには、「美奈宜会」や「レディース会」といった住民のゴルフサークルが結成され、日頃からゴルフを楽しんでいる。

 居住者特別料金は平日ハーフ2500円と格安だ。さらに、ゴルフをしない人たちが早朝、コース内を散策する「歩こう会」というサークルもあって、ゴルフ場と周辺住民の≪いい関係≫が見えてくる。

 これに似た街づくりとしては、東急不動産が94年から千葉県で開発を進めている「季美の森」(現在、約1300世帯が居住)がある。

 ただしこちらは、ゴルフ場の季美の森GCは街のシンボル的存在ではあるが、それを魅力に感じて転入した人はごく少数のようだ。

「住民の中心は、東京や千葉に通勤される比較的若い世代の方ですから……」(同社広報部)

 もちろん中には、フェアウェイフロントに住み同GCの会員になっている、あるいはなろうと考えているゴルフ好きもいるはずだが……。

 ところで、先の「美奈宜の杜」の成功例を見ると、国土の狭い日本のこと、18ホールではなく9ホールのゴルフ場を核にした街づくりが今後現れるかもしれない。

 最近、同町を視察したあるゴルフ関係者は、「高齢者向けのシニアタウンなら9ホールで十分に魅力的」と語る。ゴルフ場のすぐそばの暮らしを夢見るゴルファーのために、どこか開発してくれないだろうか。

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