伊勢高原CCに続き、西武系ゴルフ場3コースの売却先が決まった。今回、3月1日付で3コースまとめて取得するのは、PGMでもなければPGGIHでもない、PMC。既に5コースを保有、これ以外に、今回の西武系3コースを含めると、内定分が5コースあり、10コース体制になる。PGMならぬPMCとはどういう会社なのか。
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新たにPMC傘下になる、おおむらさきGC
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今回売却が決まったのは、プリンスホテル傘下の箱根くらかけゴルフ場、西武鉄道傘下のおおむらさきGC、吉井南陽台GCの3コース。
取得する側の会社であるPMCとは、パシフィック・マネジメント・コーポレーションの略、東証一部上場のファンド運営会社・パシフィック・マネジメント(株)という会社だ。
投資家から預かった資金で有価証券や不動産を買い、運用益を投資家に還元するファンドビジネスを本業にしている会社は今や星の数ほどあるが、PMCの運用対象は、オフィスビルや賃貸マンションなどの集合住宅、商業施設といった不動産で、運用資産の規模は約8300億円。上場のファンド運営会社の中では2~3番手に位置する。
新興の不動産ファンドとしてはそこそこ知られた存在で、こと証券業界における知名度から言えば、PGMやPGGIH、アコーディアよりは格段に知名度は高い。
そのPMCがゴルフ場事業に参入したのは2005年10月。民事再生手続き中だった東軽井沢GCの営業権を譲り受けた。
2件目は昨年3月に小野グループから取得した相武CC。3件目は25メンバーズクラブ琵琶池。川崎定徳グループからアクティオ21に経営が交代して民事再生手続き中だった同コースのスポンサーとして、昨年7月1日付で営業譲渡を受けている。
4件目はその2日後の7月3日付で取得した、旧東洋信託銀行系の福崎東洋GC。5件目が昨年12月27日付で取得した金砂郷CC。金砂郷も民事再生手続きのスポンサーとしての取得だ。
取得まで完了しているのは以上5コースだが、これ以外に会社更生手続中のジャパンPGAGCのスポンサー就任も決定、西武系3コースも含めて、3月上旬には9コースの保有になる。
また、民事再生手続き中の加茂GCの再生計画案でも、PMCがスポンサー候補となっており、1月31日の債権者集会で可決されれば傘下コースは10コースということになる。
2大外資を追う形で、オリックス、ユニマットをはじめとする国内勢もゴルフ場買収に意欲を見せる中、1年半で10コースはかなりのハイペースだ。
現在のところ、保有コースが10コースに達しているのは、国内勢では8グループしかない。今後の取得計画については、「現時点で投下資金は約300億円だが、むこう3年程度で500億円くらいまで投資したいと考えている」(PMC広報)
運営については100パーセント子会社を設立、専門の受託業者に委託する予定はない。基本的にゴルフ場買収の資金は自己資金を使っており、ファンドの資金は使っていない。
「ある程度の数を買い、スケールメリットが出るまでは自己資金でいく。今は研究段階」(同)だからという。
次々と塗り代わっていくゴルフ場保有数ランキング。ゴルフ場ビジネスはそんなに≪おいしい≫ものなのか。動向に注目しよう。
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