> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/20号
2007/2/8更新
タイガー、ビュイック優勝でツアー7連勝、
圧倒的強さの秘密を探った

 タイガー・ウッズがいよいよ円熟期を迎えた。ビュイックでは、今大会、5勝目、3連勝を達成したばかりか、自己の米PGAツアー6連勝の記録を更新し、7連勝を達成。バイロン・ネルソンの持つツアー11連勝にはまだ及ばないが、第2次世界大戦の終戦の年(1945年、つまり多くのプロゴルファーが出征していた年)に作られた大記録に次ぐ、史上2番目の記録だけに、その圧倒的なタイガーの強さに、多くのゴルフファンが度肝を抜かれたのだ。


フツーの試合の優勝はタイガーにとって≪余禄≫?

 しかし、タイガー自身は周りの大騒ぎに対して、あくまで冷静だ。

「確かにバイロン・ネルソンやベン・ホーガンといった伝説的なプレーヤーの仲間入りが出来たことは、格別だよ」
 と語りながらも、
「もともと4月のマスターズにピークがくるように調整していた。ツアー7連勝よりも、5つ目のグリーンジャケットの方が重要。メジャー4連勝という方がはるかに難しい」
 とあっさり。

「連勝記録といってもライダーカップでも負けているし、中国と日本でも2位になっている。ただ、ストロークプレーのイベントでは、全米オープンで予選落ちして以来、昨年のウエスタンオープンから、最も悪くても2位という成績で、調子が良いことは間違いがない」ということなのだ。

 昨年末に、ドバイでのコース設計と今夏のエリン夫人の出産予定を発表していたウッズだが、オフには、「コロラドでスキーをしたり、いい時間が過ごせた。あんまり、カロリーを消費する生活ではなかったけれど、楽しかったよ」という。

 そして、ハンク・ヘイニーとのトレーニングを再開したのは、「数週間前」とかで、つまり、新年になってから。ビュイックでも「ティショットを随分と引っ掛けてしまった」とか。

 実際、ビュイックでは、平均317・3ヤードと飛ばしてはいたもののフェアウエイキープ率は、46・43パーセントとボロボロに近い状況だったのだ。

 にもかかわらず、パーオン率は、昨年の平均74・15パーセントを2ポイントも上回る76・39パーセント。つまり、ラフからピンを狙って、それに成功したのだ(フェアウエイ以外からのパーオン率は66・67パーセント)

 今年、ビュイックが開催されたトーリパインズはフェアウェイとラフの芝の種類が変わり、難しくなっているにもかかわらずだ。

 つまりは、本調子ではなかったにもかかわらず、要所、要所を押さえて、優勝してしまった。

「最終日9番で(約8メートルのパットを沈め)イーグルを取って(トップタイになり)、チャンスがあると思った。あの時点で、4~5人にチャンスがあり、まだ試合に勝ったことがないプレーヤーもいただけに、バック9は攻めていかなければならないと思った。彼らには失うものが何もないからね」
 と試合の駆引きを熟知しての、ツアー55勝目。

 7月頃には、父親になるウッズだが、
「もちろん、自分の中の優先順位は、変わってくる。なんといっても、新しい生命が生まれてきて、その生命が生きていくのに、自分が100パーセント責任を負うのだからね。もしエリンが全英オープンの週に出産するというのなら、私は、試合には行かない。それは一つのゴルフの試合より、はるかに、そして最も重要なことだからね」

 調子が悪くても勝てる技術的な円熟に加え、父親になるという自覚が、さらにウッズを強くしていることは疑いのないところだろう。

 話を総合すると、子供が生まれるまでの間、4月のマスターズと6月の全米オープンに焦点を当て、2度目のメジャー4連勝、タイガースラムを狙っているようなのだ。今回の優勝を含めて、後の試合での勝利はメジャーに向けて調整をしてゆく中での、余禄ということになりそうだ。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です