今年のゴルフ界は曇り時々晴れ? 先の1月下旬に米フロリダ州オーランドで開催された世界最大のPGAショーと今月下旬(2月23~25日)に開催されるアジア最大のジャパンゴルフフェア。この毎年恒例の二つのショーは、新製品などが発表されるとともに、今年のゴルフ界の景気を占う上で、重要な指標といわれているが、流れは好天に向いつつあるようでも、今ひとつ雲行きははっきりしない。
「2007年のPGAショーは、試打会を含めてすべての点で非常に成功したショーとなり、ゴルフ業界にとって明るい兆しを示したといえるだろう」
と語るのは、PGAゴルフ・エキシビジョンズ社のエド・セヴェラル副社長だが、実際、ショーの入場者数も昨年の4万3549名から4万5019名と3パーセント増えている上、バイヤーの数に至っては、約14パーセントも増えたという。
しかも「展示出展者は、非常に生産的なミーティングをバイヤーたちと行ったと聞いている」という。
このPGAショーは、一般ゴルファーは、入場できない業界関係者だけの展示会で、メーカー側にすれば、製品の紹介とともに受注会を兼ねている。
だからこそ、そこで「非常に生産的なミーティングが行われた」ということは、言葉を変えれば、多くの注文をとれたということで、景気が上向きになったことを、裏付けるものなのだ。
その上、今年は、過去4年出展していなかったテーラーメイド=アディダスが復帰したことは大きい。手放しに喜べないのは、大手のタイトリストやナイキが、出展を差し控えているためだ。
ナイキゴルフはアパレル関係で、タイトリストは同社グループのパフォーミング・インスティテュート社が出展はしているが、肝心のクラブやボールでの出展はしていなかった。
今月23日から開催される日本のゴルフフェアでも、
「タイトリストは5年前からだが、今年は、ナイキや横浜ゴム、プーマなど7社が出展を取りやめた。組織替えのために、今年だけの不参加になるところもあるが、(出展を取りやめたのは)基本的には、大手メーカーの新製品の発表時期がどんどん早まっていることや、メーカー各社がより効率的なプロモーションを模索しているためのようです。
しかし、ユーザーと直接コミュニケーションが取れる場として、ゴルフフェアは必要不可欠。いずれ、出展を取りやめたメーカーも戻ってくるはず。ショーそのものは、新規の出展メーカーが増えたことで、全体の出展社数は、昨年とほとんど変わらない」(ジャパンゴルフフェア エクゼクティブディレクター・曽良俊明氏)
と主催者側に深刻さは感じられない。
有明の国際展示場で開催される日本のゴルフフェアは、アメリカとは異なり、一般のゴルフファンも無料で入場できるもので、単純にアメリカのPGAショーと同列に扱うことは出来ないが、本当に景気がよいのであれば、大手メーカーもこぞって参加するはず。
その一方、アメリカでバイヤーが増えたり、日本で新規の参入が増えているというのは、良い兆候。だからこそ、今年のゴルフ界の景気は曇り時々晴れ、といったところだ。
いずれにしても、ここのところあまり元気がなかったゴルフ界だけに、晴れ間が見え始めただけ、良いとすべきなのかもしれない。
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