高速・有料道路におけるETCの利用率は全国平均で70パーセントに迫るまでに普及している。ETCがこれほど普及した一因には、各種割引サービスがあるようだ。しかし、例えばゴルフ場の行き帰りで同様な割引のチャンスがあるのを、知らない人が案外多いのでは?
例えば、川崎と木更津を結ぶアクアラインの料金は、通常3000円(普通車料金、以下同)がETCの場合、2320円に割引されているが、2月に限り、時間帯によってさらに3割引の1620円で全日利用できる。ちょうど10年前の開通当初は、5050円もしていたことを思うと、いろんな意味でため息が出るほどのデフレである。
ただし、この割引には利用時間帯の条件があって、朝は6時~10時、午後は14時~20時の間に両端にあるインターチェンジ(浮島ICと木更津金田IC)のどちらかを通過しなければならない。
もっともゴルファーにとっては、行きも帰りも意識せずとも普通に通行する時間帯である。利用価値は相当高そうだ。
同様に、曜日に関係なく全日、ゴルファーが恩恵を受けられるETCの時間帯割引に、「早朝深夜割引」と「通勤割引」がある(他にも、0時~4時利用の「深夜割引」がある)
詳しくは、東日本・中日本・西日本の各高速道路会社のホームページ等で参照してもらいたいが、基本的に「早朝深夜割引」は22時~6時の間、大都市近郊区間を利用し、かつ総利用距離が100キロ以内の場合、利用区間の料金が約半額に。
「通勤割引」は朝6時~9時、夕方17時~20時の間にETCでインターを通過し、総利用距離が100キロ以内の場合、大都市近郊区間を除く区間について、同じく料金が半額でチャージされる。
東名高速を例にとると、東京~沼津間は103キロ余なので、「深夜割引」の時間帯でなければ、通常料金の3000円となる。しかし、その一つ手前の裾野ICの場合、東京~裾野間は93キロ余なので、「早朝深夜割引」「通勤割引」ともに適用される。
ただし、早朝6時前に東京ICを通過すれば、「早朝深夜割引」となるので、通常料金2750円が約半額の1400円に。だが、6時を過ぎた場合は「通勤割引」なので、大都市近郊区間の東京~厚木間は割引から除外されるため、ちょっと高くて1900円となる。
東京~裾野間を利用するなら、何はともあれ「朝6時前に東京IC通過」を合言葉に出かけたい。もちろん、スピード超過には注意! だが……。
この裾野と沼津の両ICからさほど変わらない距離に、富士エースGCがある。ここでプレーするゴルファーは、こうしたETC割引を利用しているのだろうか。
「いいえ、そうした話はほとんど耳にしませんね。うちは沼津ICからのほうが近いので、東京からのお客様の多くは沼津で降りられると思います。今度、機会があればご案内してみます」と同GCの営業担当者も知らなかった様子だ。
もちろん、東京ICではなくその先の東名川崎から乗れば、沼津でも両割引制度の対象区間となる。
また、通勤割引は午前・午後各1回の利用制限のためこの手は使えないが、早朝深夜割引の時間帯に東京ICから乗ることができれば、途中の裾野で一旦降りて、再度乗り直すと、東京~裾野間の1400円と裾野~沼津間の通勤割引200円(通常料金400円の半額)の計1600円で沼津下車となる。
多少面倒くさいが、再度乗り直しのテクニック、ウラ技として使える。
むろん東名高速以外でも、例えば東北道なら、練馬から鹿沼ICは100キロ超だが、栃木ICなら両割引の対象距離になるなど、ルートごとに安い利用方法がある。
「ETCにはマイレージのサービスがありますが、3月までの休日はそのポイントが倍になります。こうした割引やサービスをご存じない方が多いのかも知れませんね」(東日本高速道路広報部)。ETCにはちょっと工夫すると、お得な使い方がいろいろあるようだ。
これからのゴルフシーズンを前に、日頃利用のルートの料金を再確認しておきたい。高速道路会社のHPには、利用するICを入力すれば、各割引料金が表示されるページがある。
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