あのロレックスがジュニアゴルフをサポートする。そんなニュースが、ゴルフ業界に流れたのは1月30日のこと。NPO法人日本ジュニアゴルフ協会(JJGA:名誉会長・倉本昌弘)が主催する、2007ロレックス・ジュニア・ゴルフ・チャンピオンシップ開催の記者会見が行われたのだ。ロレックスはロレックスランキングなどでゴルフ振興に関係が深いが、でもJJGAってどういう団体? という声もあり、それを聞いてきた。
内容は、15~18歳、12~14歳、11歳以下の3つの部門に分けてそれぞれ男女別に3月中旬~4月上旬に全国18会場で地区大会を開催。その上位選手が、ゴールデンウィークの5月5~6日に、鹿沼72CC(栃木県)の全国大会に出場するというものだ。
JJGAは会員数2600人で、すでに、ナイキやホンダ、ポロなどを冠スポンサーにして大会を開催しており、これに日・中・韓3国対抗戦と、今回、発表されたロレックスを加えた5大会の決勝大会で、ジュニアに活躍の場を与えている。
さらに、関係の緊密なアメリカジュニアゴルフ協会(AJGA)主催の全米5大ジュニア大会を中心に7試合に選手を派遣するなど、ジュニアたちを積極的に試合に送り出している。
ところで、JJGAという団体については、一部のゴルファー以外には、あまり知られていないのではないだろうか。
平成7年3月1日に設立され、どう3年に法人化。団体の沿革は「この団体は、スポーツとしてのゴルフを日本の青少年に普及すると共に、子供の体力及び健全な精神の育成、そしてスポーツの振興の活動に寄与することを目的とすることで設立された」という。
だが、現状では日本のゴルフ界を統括するJGA(日本ゴルフ協会)はもちろん、ゴルフ業界の16団体(JGA,PGA,LPAなど)で構成したJGC(ジュニアゴルファー育成協議会)とは関係ない独自の路線を貫いている。
JJGAの今後の活動方針と共に、このあたりの事情も事務局長で専務理事の林武大氏に聞いてみた。
「我々が目指すのはジュニアのゴルフ環境の改善です。今のように何千円も出してプレーするんじゃなくて、アメリカのように数ドルでプレーできる。そうなることを目指しています。本当ならば16団体が考えなきゃいけないこと。掛け声をかけるだけなら誰でもできる。子供たちがゴルフを楽しめれば、やがて大人になってもプレーしてくれる。つまりは自分たち(業界)のためになるんだから」と、力説する林氏。
確かに、ジュニアのゴルフ環境はここ10年ほどの間に画期的によくなったとはいえ、まだまだ普通の家庭の子供が毎日練習したり、毎週ラウンドできる状況にはない。これを改善しようという林氏の言葉は、いちいちうなずけるものだ。
だが、16団体と足並みを揃えるつもりはさらさら無い。他団体と一緒にやることを考えているか? という質問に「全然考えていない。それぞれがしっかり考えればそういう方向にいくでしょうから」と即答。他団体とは別の動きで、マイペースでの底辺拡大を続けるようだ。
業界の一部ではJJGAとJGAの不仲説も流れるが、JGAはこれを否定。
「うちでは日本ジュニアを年1回やるという形をとっており、あちらは試合をたくさんやっている。そういう風に形が違うだけ。うちでもジュニアが安くプレーできる環境作りは一歩づつだがやっている」(事務局)と、冷静な立場を貫いている。
プレーマナーも含めたジュニア育成の大切さは業界の誰もが認めるところ。それぞれ形は違い、手を携えることはなくとも、ジュニア育成とプレー環境が早く整うのなら、それにこしたことはないのだが……。
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