個人投資家の増加とともに、多くの上場企業でより個人投資家に喜ばれる株主優待を実施する動きが出てきた。人気があるのは、やはり金券類や招待券、希少価値のある非市販品等のプレゼントで、権利確定日前には決まって株価が上昇する銘柄もあるようだ。昨年10月に東証一部に上場したSRIスポーツでも、先日、同社の特別仕様品を贈呈する株主優待の実施を発表した。
SRIスポーツでは今年6月末日と同12月末日の時点で株主名簿(および実質株主名簿)に記載、または記録された1株以上を保有する株主に、それぞれ株主優待を贈ると発表した。
このうち6月末日の中身は、同社のゴルフボール4個入り1箱のプレゼント(12月の内容は未定)。贈られるボールは、市販のゼクシオDCだが、ボールナンバーが「2007」と印字された特別仕様で「株主様限定」と書かれた箱に入れられている。
同ボールの本体価格は750円。4個で税込み3150円也。一方、同社の株価は先週(2月15日・以下同)、1株16万円丁度。株主優待の価値は株主個々に判断してもらうとして、プレゼントの内容自体は、ゴルファーなら≪嫌≫のないところだろう。
「(株主優待の中身の)発表を待たれていた方がおられたからでしょう、発表直後は株価がわずかに上昇しました」(同社広報)
ちなみに、株主優待の権利を得るには、権利確定日の5営業日前までに株を購入しておかなければならない。同社の権利確定日は6月30日なので、同25日までに購入することだ。
昨年4月に上場(名証セントレックス)した中古クラブチェーンのゴルフ・ドゥも、同10月にゴルファーに株主優待を発表した。
9月末日と3月末日時点の株主に、それぞれ同社オンラインショップで使える20パーセント割引券をプレゼントする。1株以上で1枚、5株以上で3枚、10株以上で5枚の優待割引券がもらえる。
「1月にお配りしたばかりで、実際に使用された優待割引券はまだ10枚程度です」と同社・広報担当者。せっかくの20パーセント割引である。どうせなら金額の大きなドライバー購入時に使いたい。
新製品への買換えが落ち着き、前のドライバーが中古ショップに持ち込まれる、これからが利用も本格化するのだろう。ちなみに、同社の株価は6万500円だ。
同業のライバル、ゴルフパートナーも今年3月7日に東証マザーズへの上場を予定している。しかし、同社に問い合わせたところ、「株主優待は検討していますが、内容も発表の時期も未定です」とのこと。
用品関連では、リシャフトで人気の藤倉ゴム工業の株主優待が魅力的だ。100株以上の株主に、リシャフトまたはオーダークラブ購入時に使える20パーセント割引券を3枚プレゼントされるのだ。シャフト1本につきではなく、1回の買い物がまとめて20パーセントオフになる。
リシャフトを考えている人は、株主になったほうが得かも。同社株は2月15日で100株で9万3100円だ。権利確定日は3月末日と9月末日。
ゴルフ場経営会社では、上場1年が経過したパシフィックゴルフグループのPGGIHが、平日プレー料金無料券(キャディフィ、飲食代、利用税は対象外)を1株以上の株主に1枚、同8株以上に2枚プレゼントするなどの株主優待を実施しているが、昨年上場のアコーディア・ゴルフには、まだその予定はないようだ。
ゴルフ場経営会社で魅力的なのは、男子ツアー開幕戦のスポンサーで、中部地区で2コース経営する東建コーポレーション。
1000株未満の株主にはプレー優待券のプレゼントどまりだが、1000株以上の株主にはどちらかのコースの年間平日会員カード(メンバーフィでプレー)、さらに2000株以上なら同じく全日利用の会員カードが発行される。
ただし、2000株のお値段は1590万円。名門コースの正会員に十分なれる金額である。
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