1月の平均気温は全国各地で最高記録を更新し、暖冬傾向が続いている。それにもかかわらずこの冬は発熱・保温系の機能性インナーウェアが絶好調。今冬はこの手の機能性ウェアが認知された元年となりそうな気配なのだ。
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ミズノの新製品バイオギア。
保温+UVカット機能付き
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昨年大ヒットした『ブレスサーモ』が今年に入ってさらに売り上げを伸ばしているミズノでは、暖冬が需要に結びついたという見方をしている。
「クローズするゴルフ場が例年より少なく、プレー機会が増えたのも一因と考えられます。しかし、いくら例年より暖かいとはいえ、それなりに寒さは感じるので保温性の高いインナーウェアが求められたのでは」(ミズノ広報宣伝課/西田維作氏)
機能性インナーウェアに対する認知度が高まったことも要因の一つだ。プロゴルファーの間でも人気が高まっているアンダーアーマーはこの冬、主力商品の『コールドギア』が前年比約200パーセントの売上を記録した。
「アンダーアーマーが提案してきたゴルフウェアもギアの一部という考え方が理解され、半袖ポロシャツの下に長袖の機能性インナーを着用するといったスタイルが、トップ選手の間で浸透してきたことも大きな要因だと思います」(ドーム・ブランドマーケティング部/加藤岳氏)
インナーウェアでは後発ながら当初計画の2倍を出荷したブリヂストンでも同じ見方をしている。
「2年目で『+3℃プロジェクト』が認知され、当社がインナーウェアを出していることも広く知っていただけるようになりました」(ブリヂストンスポーツ広報室/西尾須賀子氏)
ゴルファーのファッションの変化も影響しているようだ。
「冬のゴルフというと以前は厚物を何枚も重ね着していたのが、最近は冬でも動きやすいウェアが浸透。アパレル業界全体が細身のシルエットに移行していることも影響していると思います」(テーラーメイドアディダスゴルフ/中島宜行氏)
2月に入って最高気温が15度を超え、春を思わせる日も多い。さらに22日に発表された長期予報ではこの春も高温傾向が続くという。この時期、どんなウェアを組み合わせれば快適にプレーできるのだろう。各メーカーが推奨するスタイルを聞いてみた。
「汗冷えを防ぐことが肝心。『ブレスサーモ』は吸湿速乾素材なので、運動を止めたときの体温低下が少ないのも特徴。また、『バイオギア』は保温性があり、UVカット機能もあるので紫外線の強くなるこれからの季節にお勧めです」(ミズノ/西田氏)
「ただ薄着をするのではなく、機能性インナーをシャツの下に着用することをお勧めします。アンダーアーマー『ヒートギア』は、汗を素早く吸収し、かつ速やかに発散させることにより、汗のベトつき感を防ぐとともに、身体の体温調節機能をサポートします」(ドーム/加藤氏)
「暖かいといっても、それなりに寒いのでインナーウェアの着用をします。暑さや寒さは重ね着で調節します。袖やライナーが取り外せる『5ウェイブルゾン』などは重宝します」(ブリヂストンスポーツ/西尾氏)
「すっきりしたシルエットで暖かい『サーマルコンプレッション』の着用をお勧めします」(テーラーメイドアディダスゴルフ/中島氏)
ただこの手の新感覚ウェアは全体に細身ぴったり系。体の線がそのまま出るだけに中年太りの人は気にならないでもない。
とはいえ、真冬よりも寒暖の差が大きく、風邪など体調を崩しやすいこれからの時期、ますます機能性インナーウェアが活躍しそうだ。
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