ダイキンオーキッドレディス直前の2月28日、宮里藍の故郷、国頭郡東村に激震が走った。
「本当に藍ちゃんや宮里一家に申し訳ない気持ちで一杯です。宮里一家のおかげで、東村が有名になり、観光客誘致やら、東洋のぺブルビーチとしてゴルファーのメッカにする計画を練っていた矢先の不祥事で、宮里家に泥を塗ってしまいました」(国頭郡東村役場・金城紀昭総務課長)
東村といえば、今月、つつじが見ごろを迎え、沖縄県全体の3分の1のパイナップル生産を誇る村である。その東村で、役場の前助役による3500万円にものぼる公金横領事件が発覚した。沖縄の新聞各紙は一面を飾り、人口約2000人の小さな村がテンヤワンヤの大騒ぎとなった。
事件の主役は比嘉勝正前助役で、宮城茂村長の後援会会長を務める人物だった。
「過去5年間に3500万円もの公金を個人的な目的に流用していたのです。02年収入役時代に自分名義で農協に預けていた定期預金7000万円を担保に3000万円、05年も同様に500万円を借り入れた直後に預金を引き出したということでした。
東村では宮里藍ちゃんを筆頭に上位4位まで高額所得者として名前を連ねており、法人税も父・優氏が所有する会社1社で残りの法人17社分を遥かに超える額を納入していました。いわば東村は宮里家の税金で賄われているようなもので、優氏は残念がっていると思いますよ」(地元記者の話)
金城紀昭総務課長によると、東村役場の年間予算は約32億円。住民税や法人税などの税収入は約2億5000万円で、税収入の15パーセント近い額が助役によって使い込まれたことになる。幸いにも3500万円は前助役によって返還されたため、東村当局としては、刑事告訴はしない方針とか。
その理由は東村のような小さな地域共同体では住民の全員が親戚同士のようなもので、内輪から逮捕者を出したくないという心理が働いているからだという。3500万円のうち1500万円が家族の住宅資金と判明したが、残りの使途が不明で、この金銭の流れを今調査中だ。
今年4月の村長選挙では優氏の親友、宮城茂村長が勇退、後任に比嘉前助役と伊集前村会議長との一騎打ちが予想されていたが、今回のスキャンダルで、伊集前村会議長の無投票当選になる可能性が大だという。
米ツアーで活躍しても、生まれ故郷の村に納税を続ける藍ちゃんのためにも、お金の使い道だけはしっかりしてほしいものだ。
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