旧モデルとニューモデルが切り替わるこの時期、どのクラブのどんなスペックが売れているのか、各メーカーの新製品発表が始まった06年11月27日から07年3月4日まで約3カ月14週間の合計販売数量を、POSシステムを使った1000店舗以上の店頭窓口で調べてみたら意外な結果があらわれた。
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ドライバー1位のインプレスX460D(左)と
アイアンセット1位のV-iQフォージド
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SLEルール導入まで1年を切ったが、ドライバー(男性用)全体の中で高反発の占める比率は14.35パーセントと意外に大きい。
「ゼクシオ」の高反発比率18.7パーセントは「ほぼ読みどおり」(SRIスポーツ経営企画部・飯田謙一氏)。同41.59パーセントの「マックテックNVG2」は新製品投入前の値下げで、高反発のニーズを掘り起こしたようだ。
この結果をゴルフショップニューオーシカ、大鹿寿一社長「いまクラブを買えるのは余裕があって高反発のニーズが高いシニア層」と読んでいる。
また、ドライバー1位の「インプレスX460D」(10.5度、SR)は、「発表、広告宣伝、発売のタイミングに間を置かなかった」(ヤマハゴルフ事業部・土田厚志氏)戦略が功を奏したといえる。
「X-ドライブ460」はツアーADクワトロテック65(9.5度、S)仕様がドライバー部門の2位。「一番話題のシャフトをいち早くウチが装着した」(ブリヂストンスポーツ広報室長・嶋崎平人氏)ことも一因だ。
ちなみに「ゼクシオ」「ツアーステージV-iQ」の売れ筋スペックは、どちらもSRシャフト。理由は、「SからいきなりRに替えるのは抵抗があるし、最近のシャフトは軟らかめでSRでも以前のR感覚で使える」(前出・大鹿氏)といったところか。
意外性でいえば、アスリートイメージの強いナイキの「サスクワッチ460」でRシャフトの販売構成比がSシャフトとほぼ同じ。アベレージゴルファーに人気が高いと考えられる。逆にアスリート受けしたのは「V-iQ」で、9.5度、Sシャフトの販売構成比が高かった。
また、アイアンは6本セットが主流となり、消耗品のボールも手頃な値段の商品が上位を占めている。
今回、販売実績を基に推計された市場データによるギアの詳細な販売情報を提供してくれたGfKマーケティングサービスジャパンの林淳氏は、「売れ筋のスペックに関してメーカーの読みは結構外れているようです」と明かす。
すでに10社程度が同社のデータベースを活用しており、今後ゴルフ業界でも生産・流通の効率化が進みそうだ。
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