タイガー・ウッズが、ついに伝説(レジェンド)のゴルファーの仲間入り? ボビー・ジョーンズのマスターズ(ジョーンズ32歳のときにマスターズの前身オーガスタ招待開催)から始まり、アーノルド・パーマーのベイヒル招待(パーマー44歳のとき)、ジャック・二クラスのメモリアル(36歳)と、レジェンドといわれるようなゴルファーは、自分がホストを務めるトーナメントを持っているが、ついにタイガーも、自分がホストを務める試合を手に入れたのだ。しかもタイガーは31歳と最年少での主催競技開催だ。
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いよいよ伝説のゴルファーの仲間入りか
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その名は、AT&Tナショナル・イン・ワシントンDC。アメリカの首都で、しかも独立記念日(7月4日)の週に開催(7月5日~8日)されるというこの試合、冠スポンサーこそ、電話会社のAT&Tだが、
「私と父が、97年にタイガー・ウッズ基金を作って以来の夢だった」(ウッズ)というウッズ自身がホストを務める米ツアーの公式競技なのだ。
開催コースは、まだ決定ではないが、アメリカの政治家御用達、全米オープンも開催している「コングレッショナルCCと前向きな交渉をしている最中」(ウッズ)という。
ワシントンDCでは、かつてこの時期に開催されていたケンパーオープン、あるいは、これを引き継いだブーズ・アレンクラッシックがあったが、このトーナメントがなくなり、今は首都エリアで開催される試合がない状態。
その上で、8月のジ・インターナショナルが、この時期に移されたが、こちらの方も、やはりスポンサーが見つからず、急遽、試合がキャンセルされてしまった。
両試合とも、「タイガーが出場しない試合」と見られていたために、スポンサーが付かず、また実際視聴率も低かったために、40年の伝統があったブーズ・アレンもユニークなポイントターニーシステムのジ・インターナショナルもなくなってしまっていた。
まさか、自分の試合が欲しかったために、出場しない試合をウッズが作っていたのではないだろうが、これでようやく父親との目標も達成できた。
そして、これまで全米オープンと全英オープンの間は、ウエスタンオープンに出場するとしても、タイガーのスポンサーであるビュイック選手権の計2試合だけだったが、このAT&Tナショナルに関しては、「当然、出場するつもりでいる。もっとも今年は、妻の出産の方が優先されることになるが、それがなければ、必ず出る」ということなのだ。
ウッズは、これまでにもPGAツアーの後援試合である、大手量販店をスポンサーにしたターゲット・ワールドチャレンジという試合のホスト役を務めていたが、PGAツアーの公式試合となると、格も違うし、チャリティに集まるお金も違ってくる。
そして、そのチャリティのお金は、当然、大部分はタイガー・ウッズ基金の方に回るのだろうから、基金の会長であった父親の故アール・ウッズ氏が、試合の開催を目標としていたのも、当然といえば当然のことなのだ。
PGAツアーにすれば、今年、フェデックスカップをスタートさせているが、今年「自分の舞台は世界だ」と再三語っていたタイガーを、米ツアーに繋ぎ止める試合が1試合増えたというメリットがあり、また、穿った見方をすれば、ホストの試合を提供する代わりに、フェデックスカップまでの最低参戦数を確保して、カップにも参戦を確約させたのかもしれない。
コース設計を手がけ始めたウッズにすれば、パーマーや二クラス同様に、いずれ、この試合を自分の設計したコースで開催することを長期展望の一つとして、考えているのかもしれないが、とにかく、PGAツアーのスポットを確保したことだけは間違いがない。
レジェンドへの完全な仲間入りとはいえなくとも、確実に伝説のゴルファーへの一歩を踏み出したといえるだろう。
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