小金井、よみうり、戸塚といったかつての≪億カン≫コースの会員権が復活を遂げつつある。会員権相場の底値と言われた4年前から、2倍以上の水準まで価格が回復しているのだ。劇的に値上がりしたコースを追った。
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底値から2.6倍まで値を上げた小金井CC
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関東ゴルフ会員権取引業協同組合が発表している気配値(3月9日発表)から、会員権価格のほか、名義書換料、名変預託金など、入会までにかかる金額、つまり入会相場の高い順番に並べると、ぶっちぎりのトップは小金井CC。
会員権自体が1億円近くする上、名義書換料だけで1260万円もするため、総額は1億560万円となる。
バブル絶頂の平成2年9月に付けた会員権相場3億7000万円には遠く及ばないが、平成15年7月に付けた底値3600万円からは2.6倍程度まで上昇している。
「そもそも会員数が500人くらいしかいないところへ、そのうち100人くらいは保有しているだけで動いていない。残る400人程度の中で手放そうという人が、そう沢山いるわけではない。売りに出るものも決して多くはない」(ゴルフダイジェスト社会員権サービス部・田嶋一弘課長)
第2位は入会相場6687万5000円で法人会員限定のよみうりGC。会員権相場では6425万円だが、名義書換料等は262万5000円と安い。最高値は平成2年7月に付けた3億円で、最安値は2400万円。
一般には平成15年夏が底値なのだが、法人会員権のみだからか、決算を締める直前に売りが多発したのか、決算期末を控えた平成16年2月に底値を記録した。ここも底値から2.7倍の回復である。
第3位、入会相場5165万円の戸塚CCは、名義書換料は315万円だが、名変預託金が1000万円かかるので、入会金相場としては5000万円を超える。最高値は平成2年9月の1億5000万円、最安値は平成15年7月の1800万円。底値からの回復割合は2.1倍。
そして第4位は入会相場4312万5000円の東京よみうりCC。名義書換料はよみうりGCと同じ262万5000円だが、名変預託金が500万円必要なので入会相場は4000万円を超える。
最高値は平成2年9月の1億2000万円、最安値は平成15年6月の1700万円。ここも底値からの回復割合は2.1倍だ。
このほか、入会相場4220万円で第5位の相模原GCは、最高値1億7000万円で最安値1600万円、入会相場3865円で第6位の鷹の台CCは最高値1億5000万円で最安値1800万円。
いずれも回復割合は1.9倍~2倍弱。いずれも最安値の時でさえ、1000万円を下回ることがなかったあたりは、さすがに庶民ゴルファーとは無縁の高嶺の花である。
もっとも上には上がある。社団法人経営の東京GC、霞ヶ関CC、相模CCや、任意団体経営の軽井沢GCなどは、売買市場に会員権が出回ることすらない。
一昨年9月から相場を盛んに引き上げてきたのは、もっぱらこういった高嶺の花コースであって、庶民向けコースではない。一部に会員権上昇気配の動きもあるようだが、この辺のチェックも怠りなくしたい。
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