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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/3号
2007/3/22更新
たび重なる不祥事に対応すべく
JGTOが決めた罰則規定の中身

 男子ツアーがついに恥を忍んで改革を踏み切った。日本ゴルフツアー機構(JGTO)は3月12日、定例理事会で懲戒・制裁規定の改正案を承認。相次ぐ不祥事や、ツアーの不人気を見かねた、選手を含めた内部からの声で作られたもの。だが、その内容は重箱の隅をつつくような細かさで、一部報道では≪まるで中学校の校則並み≫と笑われるもとなってしまった。

 この懲戒・制裁規定はここまでしなければ選手達の意識が変わらないという危機感がそうさせたもの。もちろん、恥ずかしい現実を浮き彫りにしたことは確かだが、それでもガケっぷちで何とか踏みとどまろうという気持ちは伝わってくる。

 基本的には、違反行為をその重大さによって分別、違反回数ごとに罰金が上がっていくしくみになっている。

 まずはプレー中の違反(クラブを叩きつける、コースを故意に傷つけるなど)練習に関する違反、喫煙、服装に関する違反、ロッカールームにおける違反などが、初回厳重注意、2回目10万円で、3回目20万円、4回目以上30万円。

 次に重いのが帯同スタッフ(キャディ、コーチ、マネージャー)の行為に関する違反、トーナメント管理に関する違反(レジストレーション、関係者への暴言)などが、初回10万円で、回数を重ねるごとに10万円ずつ上がっていく。

 さらに、ファンサービス、マスコミ対応(指定エリアでのサイン拒否、チャリティフォト拒否、記者会見拒否)が20万円から順に10万円ずつアップ。

 プロアマでの違反、ファンへの暴言、コースやトーナメント主催者への暴言などが30万円からとなっている。

 最も重いのが選手の協力義務違反で、罰金は100万円。開幕セレモニー、年間表彰式、要請にもかかわらず、ダイナスティカップ、日韓対抗に出場しないなど、JGTOに協力しない行為、プロアマ無断欠場などだ。

 また、いずれの懲戒、制裁も制裁金レベルのものに関しては、マナー委員会(外部の有識者で構成)で決定することができる上、トーナメント中の違反はツアーディレクターがその場で制裁金を科すことができる点が、これまでとは大きく異なっている。

 スピード制裁でダメージをより小さくし、選手の危機感をあおる作戦だが、選手生命のかかった除名や出場停止に関しては、マナー委員会を経て理事会で決定するという慎重な方向であることはかわっていない。

 人気低下の現実をしっかり受け止め、その原因となったマナーの悪さや意識の低さを根本から叩きなおすこの改革。

 レベルの低い学校ほど規則が厳しいという例をひくまでもないが、それでもここまでしなければ直らないのだから仕方ない。今後、これが本人たちの大人の判断に委ねられることを祈るばかりだ。

 また、昨年スコア改ざんで5年間の出場停止処分を受けながら、これを隠した形で韓国ツアーQTを受験していた中西雅樹に関しては「昨年のツアーカードをそのまま提出しただけで、うそをついて受験したわけではない」(JGTO広報)という観点からこれ以上の処罰はしない方針。

 ただし、結果的に韓国ツアーが騒動に巻き込まれ、結局出場権を取り消されたこともあり「今後はJGTOに相談するようにという話はしました」(同)と、ことらは能天気な対応であった。

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