> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/17号
2007/4/5更新
トップアマ、森田理香子が65・90の大波スコア。
突然起きる大波の原因は?

 アジア太平洋女子アマチュア選手権(3月21~23日、フィリピン・マニラ)、3日間競技の2日目、日本チーム代表の森田理香子(京都学園高、新3年生)は「65」の大会ベストスコアを叩きだした。トップと2打差2位となり、最終日に優勝を狙ったが、優勝争いどころか、「90」の大叩き。前日とのスコア差はなんと「25」。一体森田に何が起こったのか?


同伴者のミスに感染して大叩きした森田

 ふだん100叩きのアベレージゴルファーが次のラウンドで125を打ってしまうのとはわけが違う。森田はナショナルチームに属し、昨年の日本女子オープンではプロの中で上位争い、世界女子アマでは2位に輝いた実力者なのだ。

 タイガーがアーノルドパーマーの招待で11年ぶりに自身のハーフワーストスコアの「43」を叩いた春の珍事に匹敵するか、もしくはそれ以上の出来事かもしれない。

 森田が振り返る。

「1番ホールのことです。最終組で回ったフィリピンのアンディナ・ドッティ選手と私のボールがグリーン上でほぼ同じ位置。先に打ったドッティが80センチに寄せて、私がその内の70センチにつけたんです。
ドッティがそれを外して3パット。私はなんとかショートパットを入れたんですが、3番のパー3で同じような状況が起こって、私は60センチを外してダボにしてしまったんです。
それからドッティのミスが頭に染み付いてしまって……。4番からホールアウトするまで、全く記憶がありません」

 同伴競技者のミスが≪伝染≫したのが原因のようだ。それでも、ここまでスコアを崩してしまうことはあるのだろうか。

 メンタルトレーナーで臨床心理学専門の児玉光雄教授(国立鹿屋体育大学)に聞いてみた。

「珍しいケースですね。プロやトップアマがひとホールで7や8の大叩きすることがあっても、1ラウンドでそれも同じコースで、「25」のスコア差が生じるのは聞いたことがありません。だからこそ、私がゴルファーにメンタル指導するときは『ミスしてもひとホールごとに気持ちを切り替えることだ』と言っています。切り替えができるかできないかは別として、意識することが大切ですね」

 森田は「90」叩きから4日後、全国高校ゴルフ選手権(3月27~28日・瀬田GC)に出場した。

「怖かったです。思い出さないようにしても、パターを持つとショートパットのミスを思い出してしまって。1打1打、ひとホールひとホールに集中することを心がけました」

 森田は初日74でトップに立ち、2日目の最終日は16番までリードしたが18番で3パットし1打優勝に届かなかった。それでも、森田は児玉教授がいうように、気持ちの切り替えを実戦して、恐怖を克服した。

 我々一般ゴルファーも大叩きしたら、その記憶を引きずらないで、意識してホールごとに気持ちを切り替えるメンタルテクニックを実戦したいものだ。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です