本格的なゴルフシーズンを迎えて、ウォン高とノービザという気安さを利用して韓国人ゴルファーたちが大挙日本列島に押し寄せている。北海道から沖縄までソウル発の直行便が就航する各空港近辺のゴルフ場は通訳スタッフの準備や韓国語案内書の作成など非常命令が発令された。
福島県が公表した「外国人ゴルフ利用客状況調査」によると、昨年(平成18年)1年間に県内ゴルフ場(62コース調査)でプレーした外国人は2万6935人と前年度約6900人と比べて4倍と激増した。
そのうち韓国人は2万6826人と外国人客の99・6パーセントを占めている。数年前には1対10だった円とウォンの交換率がいまでは1対7・5と25パーセントもダウン。これでは韓国人ゴルファーが押し寄せるわけだ。
まず昨年約2万人の韓国人ゴルファーを受け入れた福島県・白河アローレイクCC(27H)の話を聞こう。
「当ゴルフ場は3年前から韓国人ゴルファーが増え始め、一昨年は1万人、昨年は2万人と倍増しています。今年も3万人から4万人を予想しています。昨年までは日本人と韓国人の比率は5対5でしたが、今年は完全に逆転するでしょう。
韓国人ゴルファーが多い理由は福島空港からのアクセスのよさと安さ。日本人客でセルフが平日3800円、昼食付でも5000円です。韓国人客用の値段ですか? それは企業秘密で言えませんが、日本人よりもすこし安く設定してあります。専用の通訳も常時4、5名待機させています。
水曜日着・土曜日発の3泊4日のコースでは初日9H、2日目と3日目に各27H、帰国日には早朝から9Hプレーされるお客さんがほとんどですよ」(内藤義則支配人)
同県内のTAIGAグループ(那須、大玉、勿来)もすでにゴールデンウィークに向けて韓国客の予約が殺到している。
「韓国では2万円かかるところが、こちらでは6500円以下でプレーできますから料金が3分の1で、安いと大喜びです」(長谷川栄支配人)
鳥取県もアシアナ航空が就航して以来、韓国客が増加中だ。
「鳥取県には大山をはじめ温泉も豊富ですから、温泉とゴルフのパッケージで韓国客招致に取り組んでいます。例えば米子ゴルフ場や朝日GC大山コースなどではセルフ客には昼食付で6500円前後、宿泊施設も1泊2食で8000円という低価格で喜ばれています」(米子市キンダイ観光・水原修一社長)
九州地方はどうか? フェニックスCCの場合も11月から4月まで冬季シーズンに韓国から3500名のゴルファーが押し寄せた。
ソウルから宮崎空港まで直行便があるため、フェニックスは平日でも3万6000円、休日には4万2000円という料金にもかかわらず、韓国企業の接待やら富裕層の夫婦ゴルファーが主流だという。
今では韓国側旅行業者が日本の誘致合戦を逆手にとってゴルフ場ごとに一本釣りでダンピングを要求する現象も起きており、いまや日本のゴルフ場は韓国ゴルファーにとって買手市場になりつつある。
かつては日本人ゴルファーが、チェジュ島のゴルフ場で、我が物顔で振舞ってひんしゅくをかったこともあったが、いまや逆転現象が起きているのだ。
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