ジャパンゴルフツアー選手会の、ツアートーナメントに関するアンケートの集計結果が発表された。これは、トーナメントの品質向上を目的に、ツアープレーヤーを対象に、昨年の全29トーナメントの中から10問のアンケートを実施したもの。10点満点で評価して、各部門のトップ5を発表。総合1位に輝いたのはダンロップフェニックストーナメント(DPT)だった。
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スタッフの努力のたまもの。ダンロップフェニックスが1位に
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コースセッティング、フェアウェイのライン取り、ラフの深さ、練習場環境、セキュリティ、大会の総体的印象と、10項目中6つでDPTは1位に輝いている。その他の項目でも、いずれもトップ5を確保。その甲斐あっての総合1位の座だ。
日本ゴルフツアー機構(JGTO)理事で事務局長代行の山中博史氏は「大会側が前年度の反省点を冷静かつ科学的に分析し、天候以外、人間の力でできる部分に関して努力してくださった。No.1のトーナメントでありたい、という気持ちの強さが伝わってきました」と、この結果を分析した。
その大会側の努力の一端をのぞいてみよう。開催コース、フェニックスCCは、南国宮崎の名門コース。11月というトーナメント開催の時期にもかかわらず、オーバーシードされた緑の美しい芝が目にも鮮やかなコースコンディションが売り物だ。
しかし、大会前のメンテナンスは壮絶だ。グリーンキーパーの清山由機さんが、ポツリ、ポツリと明かしてくれた。
「(ペンリンクスの)グリーンは、暑さでダメージを受けやすい。これを乗り越えていい状態で試合をしてもらうためには、梅雨明けの7月10日頃から9月中旬までの間、毎晩、ファン(巨大扇風機)を回しっぱなしにして、熱帯夜の温度と湿度から守らなければなりません。日中も35度を以上になるとファンを回します」
緑の芝を保つため、ライグラスをオーバーシードする時期も、本当なら11月頃がベストだが、大会に間に合わせるため9月末頃行う。
「種をまいて40日で試合。発芽までの1週間は、毎日、プレーヤーの間を縫って水をまきます」(清山氏)と、営業とバランスをとりながらのメンテナンス。大会前にはコンディションが良くなるため、プレーヤーが増えることもあり、気を使うことはさらに増す。
昨年は雨が少なく、スプリンクラーで水の量をコントロールしやすかったという点で天候も味方した。それでも、人間にできる最大の努力が、朝早くから夜遅くまで、スタッフたちによって行われていた。
コースコンディション部門1位のサン・クロレラ・クラシック、グリーンコンディション部門1位の三井住友VISA太平洋、クラブハウス内レストラン部門、ホスピタリティ度部門1位のセガサミーなど、上位のトーナメントはいずれも、毎年上位に入っており、トーナメントとしての評価が高い。
東建ホームメイトカップで開幕したばかりの07年ツアー。今年は、ツアー再生の年としてJGTO、選手が一丸となっているはず。その上で、こんな風に大会を支える人々の努力に、改めて感謝することで、再生への道が探れると思えるのだが。
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