今年は、スケジュールが変わって、連休明け(9~13日)にはプレーヤーズ選手権が始まる。プレーヤーズ選手権に続くUSオープンなどに、日本企業が提携、縁の下の力持ちになることが決まったことだ。
先の4月中旬、「私達は三菱電機と新しいパートナーシップを結ぶ発表が出来ることを、本当にうれしく思っている」と語ったのは、米PGAツアーのチーフマーケティングオフィサーのトム・ウェード氏だが、このパートナーシップの手始めが、プレーヤーズ選手権で、三菱電機が、22基のスコアボードを提供することになった。
従来のスコアボードといえば、電光掲示板か、人間の手作業によるリーダーズボードだったが、今回使われるのは、従来の電光掲示板に比べて、57パーセントも大きい「ダイヤモンドビジョンLED」
「プレー中の選手の映像も追えるすぐれもので、府中の競馬場に入っているものと同じ。迫力満点」(三菱電機の関係者)という。
従来の電光掲示板では、反応が遅いのと、宣伝等が入るために、しばらく見ていないと、トップが誰かとか、応援するプレーヤーのスコアも分からなかった。それが、今回の三菱電機とのパートナーシップのおかげで、劇的に変わるという。
プレーヤーズ選手権後の通常の試合でも、この夏頃から、各試合で11基の三菱製スコアボードが設置されることになるというから、アメリカのトーナメント風景も変わっていきそうだ。
その一方、6月の全米オープンでは、オフィシャル自動車として、日本の「レクサス」が使用されることになった。あまり知られていないが、USGAの試合というと、プレーヤーたちのためのクラブ修理のトレーラーにも、メーカー名を隠す覆いが被せられている。
つまり、それほど広告や商業ベースの活動を排除しようと神経質になっているUSGAが、公用車をレクサスに決めたのだから、「歴史的な出来事」(USGA)といえる。
USGAが、自動車会社とパートナーシップを結ぶのは、同協会112年の歴史などので初めてのこと。全米オープンのほか、全米女子オープンなどのUSGAが主催する試合でも、レクサスが公用車として活躍することになる。
そして、米国ブリヂストンもまた、米PGAツアーと提携、「オフィシャルタイヤ」の指定を受けることになったという話が伝えられている。
ドライブという言葉を車の運転とドライバーショットにかけて「ドライブを上達させよう」というキャンペーンを、4月26日からのバイロン・ネルソンクラッシックから、ツアー会場で始める。こちらも新しい展開となる。
トーナメントの冠スポンサーとなれば、それだけで10億円前後の宣伝費が消えてしまう。それを考えれば、提携をすることで、派手な効果より実利を取る作戦なのかもしれない。
いずれにしても、これは日本の景気回復がいよいよ本物になったということの表れ。こうしたことを背景に、日本企業がアメリカのゴルフ界に深く食い込んできていることは間違いがないようだ。
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