ライフカードレディスで起こったツアープロの≪クラブ盗難事件≫。最終組がスタートする3時間前に、予選通過した新坂上ゆう子と前田久仁子の2選手のクラブがバッグこと紛失した。そのため、新坂上ゆう子は樋口久子会長から、前田久仁子は古閑美保からそれぞれクラブを貸りてプレーしたが、結果は予想通り? スコアを大きく崩してしまった。
最終日の新坂上のスコアは81。前日の72からうってかわって大叩き。スタート前に高反発か適合かチェックした樋口会長のドライバーは、29歳の新坂上にとっては軽く、軟らかすぎた。
「アイアンもシャフトが違うので距離感が合いませんでした。特に熊本空港CCはグリーンが硬く、2打目が難しいコースですから」
初めて使うクラブでツアーの難セッティングの中、スコアを崩してしまうことは当然だろう。
「SWは樋口会長のクラブのほうが良かった。欲しいくらいです」と笑ったが、それは苦笑いでしかなかった。
新坂上のキャディがハウスへ6時30分頃クラブを取りに行くと、あるはずのバッグがない。移動されているのかと探したが見当たらない。前日の晩から朝にかけてバッグが消えたのだ。
7時過ぎ、コースから15分の距離にある笠りつ子の家に連絡が入る。父が経営する練習場にあった2つの代用バッグを急いで用意し、8時過ぎに慌てて届けた。
インのトップ、新坂上がスタートする15分前。だが結局、新坂上は樋口会長がプロアマの賞品で獲得したパターを加えた会長のフルセットでラウンドを選び、「私はやっと出られた試合ですよ。なんで私なんだろう」と悔しさを堪えながら、コースを後にした。
一方、最終日のスコアが、3日間で一番悪かった前田はアテスト後まもなく、被害届を出しに熊本県大津警察署に向かった。
同署は「被害届を受理し、現場検証を行いましたが、捜査中で、それ以上のことは話せません」とのこと。
大会事務局は、「選手には誠意を持って謝罪します。事件性はまだわからない。もしかしたら手違いかもしれませんから。警備上は問題なかったし、いままで一度もこんなことはありませんでした」と話す。
しかしあるキャディは「2年前にロッカーでイ・ミンミプロの≪盗難騒ぎ≫があり、警備員を増やしてましたよ」と以前にも≪事件≫があったと反論。
さらに週刊ゴルフダイジェスト誌記者も金曜日の19時30分頃、ハウスのフロントを訪れたが、誰もおらず、レストランにあるお土産もプロショップにある商品も選手のバッグ同様、無防備。
誰でも出入りできるハウス内には警備員は見当たらず、決して警備が万全な状態とはいえなかった。
あるプロは、「翌週から、選手のバッグはクラブハウスから消えると思いますよ。だって危ないですもの」と嘆く。
先週、早速LPGAは、選手に注意を呼びかけ、トーナメント主催者側にもセキュリティ面の注意をお願いした。今後、トーナメント関係者には十分な警備をとってもらうことを願うしかない。
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