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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/22号
2007/5/10更新
サービス業にも資格制度を。
キャディ認定試験を始める動きがスタート

 安倍首相が座長を務める経済財政諮問会議では、先月末に「成長力加速プログラム」を策定。その中で、サービス業では業種ごとに資格制度を整備していく方針が盛り込まれた。来年度から始まる、公的機関が資格や職業訓練の受講歴を記載した証明書を発行する「ジョブ・カード」制度を活用しようというのだが、実はゴルフ場で働くキャディを対象に、同様の資格制度の確立を目指す組織がある。

 サービス業では調理師や理容師など、個人の技術に関する資格制度はあるが、いわゆる接客業の分野は未整備の状態だ。実際、サービスの内容や進め方が事業所ごとに異なる分野は多い。

 そこで政府はサービス業全体の効率化を目指し、まずは今年度中に試験対象として数業種を選定。そして、来年度からの「ジョブ・カード」制度の発足にあわせ、この分野でも資格制度を始める方針だ。

 今のところ、スーパーの店員や学習塾講師などが候補に挙がっているが、いずれはホテルや旅館、レストランなどの接客担当も対象になるとみられる。

 サービスの内容や水準が場所ごと、人ごとにバラバラといえば、ゴルフ場のキャディがまさにそれだ。

「景気回復に合わせてキャディ付きを希望されるお客が増えましたが、以前とは違い、3000~4000円も払うのだから、それなりのレベルのキャディでなければ駄目だ、とシビアに注文される方が多くなりました」と茨城県の某ゴルフ場経営者。そのため同ゴルフ場では、最近は腕の良いOBとパートタイマーで再契約しているという。

 ゴルフ場は基本的にキャディ不足なのだが、多くの素人を一から教育する余裕はない。第一、募集しても、今はいい人材は集まらない、とゴルフ場のキャディに関する悩みは深い。

「最近は、老人介護など福祉関係に人材が流れているようですね」(先のゴルフ場経営者)

 そうしたなか、「キャディのサービス向上を通じて、キャディ職従事者の地位と権利の確保、及び向上を実現し、雇用拡大を図ること」を主旨に、キャディ業務の教育やテキストの発行等を行っている東京都千代田区に本部を置く日本キャディ協会という団体(森田リカ代表)が「キャディ技能検定試験」の実施を進めている。

 同協会は昨年発足したばかりで、公的機関ではないが名誉会長は田中直紀参議院議員が勤めている。活動としては、全国のゴルフ場と協力しながら、この制度を広めることで、キャディ業務の標準化を図っていきたいという。

「これまではキャディの技能を客観的に評価する基準や機関はありませんでしたが、この検定が確立されれば、キャディが自己の水準が分かるのでスキルアップを図れるようになります。そうしてキャディの質が上がれば、ゴルフ場の評価も上がります。また、キャディの社会的地位の向上にもつながると思います」(広報担当・宍戸雅則氏) 

 現在、同協会では全国のゴルフ場にアンケート調査を実施。試験内容や、実際にどのような手順で検定を行うのか、ゴルフ場側と協議しながら実施要項作りに当たっている。そして、この6月にも、初の検定試験が実施できればという。

 利用者にとって、キャディのスキルアップと、そのレベルが提示されることはありがたいが、さてどこまで普及するだろうか。

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