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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 5/22号
2007/5/10更新
1兆円ファンド、ダヴィンチ・アドバイザーズが
ゴルフ界に参入した背景は

 不動産ファンド運営最大手のダヴィンチ・アドバイザーズが、ゴルフ場買収戦線への参入を表明した。目指すは向こう3年間で30カ所。2大外資を始めとする≪古参組≫とのガチンコ対決を避けた、≪すきま型≫の参入戦略を追った。


展開第1弾のサニーCC

 ゴルフ場業界ではほとんど名前が知られていないが、ダヴィンチは大証ヘラクレス上場で、不動産ファンド運営では最大手。

 運用資産の規模は1兆円超で、プリンスホテル系3コースを取得した、東証一部上場のパシフィック・マネジメントの上を行く。

が、リゾート会員ビジネスを展開しようというのであって、ゴルフ場運営そのものを手がける気はサラサラない。

 具体的には、子会社のダヴィンチ・リアルティを通じ、既存のゴルフ場の遊休地を借りたり、老朽化したクラブハウスの建て替え資金を出す代わりに、土地を無償で借りたりして、別荘風のコテージを建設する。

 建物は、木造1~2階建てで、4戸~8戸程度のコテージタイプのものと、鉄筋コンクリート造3~8階建てのコンドミニアムタイプのものを用意。

 今回立ち上げた会員制リゾートクラブ、グレンフィールドバケーションクラブの利用可能施設として機能させる。クラブ会員は身分はビジターだが、会員なみの料金でプレーが出来る、というものだ。

 当然、ゴルフ場自体の会員の対応やコースコンディションの管理など、いわゆるゴルフ場のマネジメントは手がけない。

このような、既存ゴルフ場との事業提携の形での展開第一弾となるのがサニーCC(長野県)

 かつては藤田観光の創業一族が経営していたが、一昨年4月、元STT開発代表の清水栄吉氏が個人で経営権を取得している。現在、今夏の竣工を目指し、宿泊施設の工事が進行中だ。

 今後、このような提携先を20カ所ほど確保していきたい考えだが、これ以外に直接ダヴィンチがコースごと買う計画もある。

 コース自体の運営は専門の業者に任せる方針だが、3年間程度で30コース取得が目標。取得競争が激化する中、果たして買えるのか。

「我々はチャンピオンコースがあるような、ハードプレーヤーが好むゴルフ場自体の価値が高いものを狙っているわけではない。ペット連れで長期滞在が出来る環境、のんびりとストレスなくゴルフが楽しめるようなコースがターゲット。主要都市から3~4時間くらいのところで、1時間圏内に観光スポットや名所旧跡があったり、自然が豊かなところにあるコースは、他のゴルフ場経営会社の指向と異なる。入札で買うようなコースは基本的に対象外。既に3コース取得がほぼ内定している」(ダヴィンチ・リアルティ)

 ダヴィンチがこの事業に投下する資金は、向こう3~4年で400億円程度。1兆円もある運用資産の中では、ごくごく小さな投資だが、専門家は「稼ぎの中心である都心のオフィスビルや賃貸用不動産は近年価格が上昇、賃料収入から得られる運用利回りも落ちてきている。高めの利回りが確保出来るものに、少しずつ投資対象を広げていこうということでは」(不動産投信に詳しいREITアナリストの山崎成人氏)と見る。

 米国の大学を出て、米国で30年もリゾート開発に係わった金子修ダヴィンチ・アドバイザーズ社長肝入りのこの新事業。団塊の大量リタイアを控え、平日の稼働率向上とも結びつく可能性もあり、注目される。

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